Question

脳に動脈瘤が……。手術以外の治療法は?

病院の検査で脳に動脈瘤があるといわれました。手術以外の治療法はありますか?

男性/40代

2022/06/10

Answer

脳動脈瘤は、脳の動脈にできるふくらみで、理由は不明ですが、生まれつき動脈の膜が薄くなっているところに、高血圧や加齢に伴う動脈の硬さが加わってできるとみられています。ふくらみの大きさは、数㎜から数㎝に及ぶものまでさまざまで、血管が枝分かれする場所にできやすく、大きさが5~7㎜以上になると破裂しやすくなります。破裂すると、血液が脳の表面に充満し、意識の低下など危険な状態を誘引します。


日本脳神経外科学会による「未破裂脳動脈瘤診療のガイドライン」によると、余命が10~15年以上なことを前提に、ふくらみの大きさが5~7㎜以上の場合や、5㎜未満でも症候性のものや破裂しやすいもので治療が推奨されています。5㎜未満の小さいものや75歳以上では、経過観察が多いのですが、経過観察中にこぶが大きくなる可能性もあり、半年から1年ごとに画像検査などを行うことが望ましいです。5㎜未満の動脈瘤でも徐々に大きくなる、くも膜下出血の既往歴のある家族がいる、本人の希望がある場合は、治療が検討されます。


脳動脈瘤の対処および治療法は下記のとおりです。

●定期的かつ慎重な経過観察

●血管内治療(コイル塞栓術)

カテーテルを用いた治療で、動脈瘤内にコイルと呼ばれる金属製の糸を詰める方法です。からだへの負担は少なく、開頭手術と同様の治療成績となってきているため、現在では広く普及しています。適応にはならない場合もあります。 

●開頭による外科的な治療

開頭クリッピング術……全身麻酔で行われ、動脈瘤をクリップで挟み、動脈瘤内部に血液が入らないようにする方法で、根治的治療として確立されています。


専門の診療科は、脳神経外科です。医療機関によって行う治療方針は異なり、外科的な治療に戸惑う患者さんも少なくないため、ほかの医療機関の専門医に意見を聞くセカンドオピニオンを受ける方法もあります。


脳動脈瘤があるといわれた場合の生活面の注意はまず、血圧を良好に保つことです。測定は、起床時、日中安静時、就寝時が望ましいものの、可能な範囲で測定・記録しましょう。塩分は控えめに。至適血圧は120/80㎜Hg未満です。65歳未満の方では130/85㎜Hg未満、自宅では125/80㎜Hg未満が目標値です。そのほか、禁煙、節酒、疲れやストレスをためない、洗顔や入浴時などの急な冷水・熱湯の使用は避ける、トイレでのいきみにつながるような便秘に注意、毎日適度にからだを動かす(必ず医師の指示や判断を)などです。


回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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