幼稚園でほかの母親たちと仲よくできず、子がふびん……

相談内容からまず感じたのは、現状でできている、お母さんたちと「会えば軽く話をする」コミュニケーションだけでも十分ではないかということです。ご相談者のこころのなかには、お子さんのためにもほかの母親たちと仲よくしなければという思いがあるようですが、その思いにとらわれてしまうと、つらくなってしまうでしょう。

子どもは子どもなりに、おそらく幼稚園では友だちに囲まれて楽しく過ごしていると思います。「たくさんの友だちと遊ばせてあげなくては、仲よくするようにしなくては」と心がけるよりも、今は数人の友だちと楽しい時間が共有できればそれでよし、限られた時間や環境であってもその時間を充実させることができれば十分、という視点も大切であるように思います。

幼稚園の時期はとくにたくさんの友だちとかかわることを優先するよりも、幼稚園での時間を楽しく過ごせたかに焦点を当ててみるのもよいのではないでしょうか。お子さんと同様に、ご相談者も無理をしない範囲で母親たちとコミュニケーションをとればよいように思います。少し肩の荷を下ろしてみてはいかがでしょうか。

また、幼稚園の後には小学校生活が待っています。幼稚園の時期も、母親たちとの関係もこのままつづくわけではないと考えると、少し気持ちが楽になりませんか。小学校では子どもが主体となって子ども同士で仲よくなり、そこから交流の輪を広げる機会が多いように思います。幼稚園とは違う新たな生活がスタートするのではと思われ、今の状況だけに焦点をおかない見方も気持ちを楽にする方法です。時間の経過や子どもの成長とともに、状況も変化していくでしょう。幼稚園時代は、あっという間に過ぎていくように思います。母親同士のつき合いがうまくできないと自身を責めることなく、自分なりに努力していることも認めながら、今の時間を大切に、お子さんと楽しく過ごしてくださいね。