Question

下痢のときは入浴してもよい?

腸が弱く、よく下痢を起こします。下痢のときはお風呂に入っても大丈夫でしょうか?

男性/40代

2022/05/28

Answer

下痢には、大きく分けて急性の下痢と慢性の下痢があります。急性の下痢の場合、感染症などによる可能性があるため、家庭での入浴は最後に入るようにします。慢性の下痢の場合は、体を温めることで内臓の機能をよくすることが期待できます。お風呂に入ってもよい条件は、激しい下痢の症状はなく、また腹痛や吐き気など、ほかの症状がない場合です。


突然起こるような急性の下痢の原因の多くは、自然に治るような消化器の感染症や食べすぎによるものですが、通常、水分をこまめに補い、腸を刺激するような食べ物や飲み物を控えると1~2日で治まってきます。水分補給に適しているのは、常温の水や麦茶、イオン飲料やスポーツドリンクで、牛乳などの乳製品やポタージュスープなどのような濃度の高いものは避けるようにしましょう。

ほかに、細菌が原因で起こる腸炎の可能性もあります。この場合は、下痢症状が強く現れることがあるため、無理に食事をとると症状がかえって悪くなることがあります。食事は控え、スポーツドリンクなどによるこまめな水分補給を行いましょう。症状が治まらないようであれば、消化器科や内科を受診しましょう。


慢性の下痢は、便の回数が通常より増え、下痢が2週間以上も続く症状が、たびたびくり返されることをいいます。くり返す下痢の症状は、胃腸の病気が原因であることが多いのですが、まれに甲状腺や全身の病気が原因のこともあります。ほかにも、体質、疲れ、飲酒、精神的なストレスによって症状が続くこともあります。

症状が長く続く場合は、便の回数、便のかたさや色、血液の付着の有無、体重は減ってきていないか、腹痛や発熱はあるかなど、からだの変化や状態を観察して記録しておき、受診もらうことをおすすめします。


下痢のときや下痢の防止につながる生活上の留意点は次のとおりです。

●入浴時は、適度に水分を補給する

●腸管を刺激する繊維の多い食品や脂肪の多い食べ物は控える。牛乳で下痢をしやすい人は控える

●下痢が激しいときの食事は控え、湯冷まし、番茶などで水分をこまめにとる

●避けたほうがよい食品は、冷たいもの(炭酸飲料、アルコールなど)、刺激の強いもの(香辛料や辛いもの)、脂肪の多いもの(揚げ物や脂肪の多い肉など)、繊維の多いもの、糖分の多いもの

●症状に応じて、1回の食事量を少なめにして、回数を増やすこともおすすめ

●疲れはためないようにし、睡眠と休養を十分にとり、規則正しい生活を心がける

●おなかがゴロゴロするときは、下着を重ねたり、ホットパックなどで軽く温めると落ち着くことがある

●適度な運動を心がける

●下痢が続くと肛門周囲がただれやすくなるので清潔にする。トイレットペーパーで強く拭かず、温水洗浄便座があれば水の勢いを弱くし、肛門周囲を洗い流すとよい

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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