Question

肩関節唇損傷の治療法は?

春ごろから右肩が痛くて腕が上がらなくなりました。ここ最近、痛みがピークとなり、腕は上がるものの、痛みがつづき、整形外科を受診したところ、右肩関節唇損傷といわれました。現在は経過観察中ですが、治療法にはどのようなものがありますか?

男性/40代

2022/05/21

Answer

関節唇は、肩の受け皿の骨の輪郭を覆っている繊維性の軟骨で、肩から上腕骨が外れないように支え、肩関節を安定させる働きをしています。また、衝撃などを吸収するクッションの役割もしています。肩関節唇損傷は、投球などスポーツ動作による肩の使いすぎ、肩関節の脱臼など肩のけがで、関節唇が骨からはがれることをいいます。自覚症状は、肩関節を動かしたときの痛み(とくに後部座席のものを取る動作など)、肩関節を動かしたときに音がする、肩がしっかりはまっていないように感じるなどがあります。


肩関節唇損傷は、診察と、MRIやCTといった画像検査で診断がなされます。一度はがれた関節唇は自然に治ることが少ないため、以下のような保存的治療が行われます。急性期は、肩を安静にし、痛みが強い場合は痛み止めや炎症止めの内服、注射などの薬を使用します。急性期を過ぎると、腱板機能訓練、後方ストレッチ、肩甲骨のポジション矯正などのリハビリテーションを行います。これらの保存療法を行い、3~6カ月経過しても症状の改善がみられない場合は手術療法が検討されます。手術による治療は、はがれた関節唇を縫い合わせる手術が検討され、現在は、おもに関節鏡による手術が多く行われるようになってきています。また、手術後のリハビリが重要で、スポーツ復帰の場合、個人差はありますが、通常、数カ月を要します。


痛みのピークが過ぎても、状況によっては強い痛みが現れる場合には、症状が改善するよう痛みの程度や経過、日常生活への支障などの状況をできるだけ詳細に医師に伝えましょう。そして、リハビリの必要性など今後の治療や、自宅でのストレッチなど経過観察中の過ごし方についても、医師に相談するとよいでしょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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