健康診断で心拡大の結果が。受診の必要は?
健康診断の結果が届き、胸部X線の項目が「心拡大」で要観察の判定に。すぐに診察を受けたほうがよいでしょうか。
男性/40代
2022/05/15
健康診断の胸部X線検査は、肺や心臓、その周辺の異常を調べるために行います。心拡大とは、通常よりも心臓が大きく写っている所見で、胸郭(胸の大きさ)の幅に対する心臓の幅の割合、すなわち心胸郭比を計算して判定されます。
この「心胸郭比」が50%以上の場合に「心拡大」と判定されますが、心臓が大きいだけでは、どのような病気が隠れているかまでの判断はつきません。心拡大と判断される人の中には、病気が原因ではない場合も含まれています。たとえば、心臓に問題のないスポーツをすることで心臓が大きくなっている人や肥満傾向の人(おなかに脂肪がたまることで心臓を押し上げて心拡大といわれるケースも)、もともと心臓が大きい人もいます。
しかし、息切れや動悸、むくみなどの症状を伴っている場合には、たとえ健診結果が要観察であっても、心臓の問題が原因で心拡大の所見が出ている可能性もあり、この場合、受診が必要となります。また「心胸郭比」が50%以上はあくまで目安で、もともと心胸郭比40%の人が、47%などに大きくなった場合は、心拡大と判断されることもあります。したがって、どのくらい心臓が大きいなのか、昨年の結果と比較して変化があるか、心電図の所見はあるか、自覚症状の有無などから、総合的に医師が判断します。
健康診断の判定については、要観察の場合であれば、引き続き今後も健康診断などで定期的に心電図や胸部X線検査での変化がないか、症状はないかなどを診ていくことをすすめられているので、気になる症状などがなければ、すぐ受診が必要ということではありません。しかし、動悸や息切れなどの症状がある、以前と違う症状が現れているなどで受診を希望する場合は、循環器内科での相談をおすすめします。また、次の健康診断の際は、心拡大の所見があるといわれたことを必ず医師に伝えるようにしましょう。
もしも、体重が多めの場合は、心臓への負担も考えられるため、適正体重(BMI25未満:BMI=体重〔㎏〕÷身長〔m〕÷身長〔m〕)になるように食事と運動で上手に調整するとよいでしょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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