五十肩が原因と思われる痛みへの対処法は?
半月以上、肩の痛みがつづいています。たぶん五十肩の痛みだと思われ、どう対処したらよいでしょう?

男性/50代
2022/04/30
肩の痛みは、年齢とともに起こりやすい症状ですが、生活習慣が影響していることもあり、いったん発症すると改善までに時間がかかることが多いです。とくに肩に炎症がある場合は、肩の動きに問題のない状態まで回復するには、半年から1年くらいかかることがあります。
年齢とともに発症する肩の痛みは、五十肩(関節周囲炎:肩の関節の周囲に炎症が起きている状態)や、肩の腱板炎(筋肉と骨をつないでいる腱が骨に付着している部分の炎症)などです。なぜ痛みが起こるのかは、はっきりわかっていませんが、五十肩の場合は、腱板が弱くなっている状態で、無理な動作や運動不足が加わること、肩関節を動かしている潤滑油(滑液)の分泌が悪くなるためと考えられています。肩腱板の炎症は、腱板内にカルシウムの結晶などが付着することが原因で、五十肩と似たような痛みや腕が上がらなくなる症状がみられます。そのほか、痛みがある部位をかばうことで症状のない反対側の肩や腕に負担がかかり、結果的に左右の肩や腕に症状が広がることや、痛みにより日常生活に不自由を感じる、関節の動きが悪くなることもあります。
安静時にも痛みがある、夜も眠れないほどの激痛がある、肩や腕を動かせない、肩を動かすと音がする、数日たっても痛みが軽減しないといった、肩から腕や手にかけて強い痛みやはれがあるような症状の場合は、整形外科を受診しましょう。安静にするだけでなく、消炎鎮痛剤の内服や注射などの治療が行われます。その後、徐々に炎症が鎮まり、痛みが軽くなってきたら、少しずつ動かしていくことで、自然に痛みがおさまっていきます。
また、外傷がなく、肩を動かしていないときも痛みがあるときは、内臓の病気が関係していることがあります。この場合、肩ではなく、体を動かしたときに痛みが増すことが多いです。また、食事や飲酒に関係して肩の痛みが出ることもありますが、このような場合も内臓(とくに胆のう、肝臓、膵臓など)の病気が隠れていることもあるので、かかりつけ医などに相談しましょう。
今回のケースでは、肩の痛みの原因は、五十肩以外にもあるため、まずは整形外科での受診をおすすめします。肩の痛みが長くつづくことはよくありますが、適切なセルフケアの方法をアドバイスしてもらい、必要なら治療を受けるとよいでしょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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