高齢者の食事で気をつけること
高齢のため、かんだり飲み込んだりすることがうまくできません。食事で気をつけることはありますか。
男性/60代
2021/12/21
加齢に伴い、かんだり飲み込んだりする機能は低下します。この力が弱くなると、食事内容が偏り、エネルギーやたんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が不足しやすくなる場合があります。また、食べものや飲みものが食道にうまく入らず、むせたり、せき込んだりしやすくなります。とくに、水のようにサラサラした液体を飲むときや、急いで食べるとむせやすくなるので注意が必要です。
酸味の強いもの、汁の中に固形のものが入った料理(味噌汁、コーンスープ、お汁粉)、ツルっとした食品(もずくなど)、上あごにくっつきやすい食品(焼きのり、もなかの皮)、水分が少ない食品(ゆで卵、焼き芋、栗まんじゅう、クラッカーなど)、かけらが出やすい食品(せんべいやかりんとうなど)は、むせやすいので気をつけましょう。もちやこんにゃくゼリーは、飲み込みが悪いと窒息の危険があります。
かんだり飲みこんだりがしやすい食事の工夫をいくつかご紹介します。
・水やお茶、ジュースなどは、ゼラチンでゆるく固めたり、汁物は、水溶きの片栗粉などでうすくとろみをつけます。市販のとろみ剤を使ってもよいでしょう。
・ご飯は、米に十分水を含ませ、やわらかく炊きます。パンはスープなどに浸すと、しっとりして食べやすくなります。めん類は食べやすい長さに切るとよいでしょう。
・肉は、二度挽きした挽肉を利用したり、箸で切れるくらいに柔らく煮ましょう。魚は、加熱しても固くなりにくいもの(サンマ、ブリ、ウナギ、イワシ、カレイ、タイ、タラ、メカジキなど)を選びます。煮物にして汁をからめたり、煮汁にとろみをつけたりしてもよいでしょう。
・豆腐は、口の中で崩れたときにかけらができ、のどの奥に入ってむせやすいので、あんかけなどにすると食べやすくなります。
・かぼちゃ、いも類、根菜などは飲み込みにくいので、煮汁をからめながら食べたり、水溶き片栗粉でとろみをつけるとよいでしょう。ごぼうなどの根菜は、包丁でたたいたり、繊維を断ち切るように切ってから料理すると食べやすくなります。
ただし、かんだり飲み込んだりする機能には、個人差がありますので、それぞれの状況に合わせた対応をするようにします。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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