Question

乳幼児に栄養剤は必要か

乳幼児にとくに与えたい栄養剤には、どんなものがありますか。食事以外にビタミン剤などの補給をしたほうがよいでしょうか。(10か月|男児)

女性/30代

2021/12/21

Answer

ふつうは、乳幼児にビタミン剤を服用させたほうがよいとはいわれていません。また、日本では実際にビタミン剤を飲ませている親も少ないと思います。乳児期には母乳やミルク、そして離乳食によって、幼児期には食事とおやつによって、それぞれ必要なビタミンは補われるはずです。よほど極端な偏食でないかぎり、ビタミンの不足は心配しなくてよいと思います。少し気をつける点をあげるとすれば、ビタミンDの不足です。食事からからだに入ってくるビタミンDは、皮膚が浴びる日光(紫外線)によって有効な形のビタミンDにかわります。住んでいる場所の緯度によってからだが浴びる紫外線の量には差があり、高緯度地方では紫外線が足りない心配があります。この点では、日本は緯度がそれほど高くないので、心配はより少ないと思います。ただし、最近はオゾン層の破壊によって地上に降り注ぐ紫外線の量が増えており、これをたっぷりと浴びていると皮膚がんになりやすい、ということも知られています。このために赤ちゃんの日光浴はあまりすすめられなくなってしまいました。このように紫外線にはよい点と悪い点があるので、いずれも極端は避けるのがよいと考えます。つまり、夏場にひどくは日焼けをさせない、冬場には積極的に戸外に出す(ガラスは部分的に紫外線を透過するので、寒ければガラス越しに日光浴させる)、などのやり方ではどうでしょうか。また、ビタミンDの摂取量を増やすために乳製品などをとることも大切です。そのほか、難治性下痢症、先天性胆道閉鎖症などの消化器の病気、あるいは口から栄養がとれないようないくつかの病気では、ビタミンについて特別な配慮が必要になるので担当医によくお聞きください。

回答者

福島県立医科大学 甲状腺・内分泌センター センター長

横谷 進

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