子どもの乗り物酔い
7歳の子どもですが、ひどい乗り物酔いをします。電車は問題ないのですが、バスやタクシー、自家用車でもすぐに酔ってしまいます。これから学校の遠足等で出かけることもあるので、心配です。
女性/30代
2022/01/28
7歳のお子さんの乗り物酔いについてご相談をお寄せいただきました。学校行事などで出かけるときなど、事前に乗り物酔いの対策ができるとお子様も親御さんも安心につながります。乗り物酔いの対策についてご説明します。
車両などの乗り物の揺れが原因で、気分が悪くなったり、吐いてしまうなどの症状をひき起こすことを乗り物酔いといいます。私たちのからだには、平衡機能という自動的に姿勢を保つ調整機能が備わっており、からだが倒れないよう、平衡を保つための反射によって、意識することなく自動的に調整をしています。
平衡機能は耳の奥にある内耳という部分が司っています。車両などの乗り物に乗って、発進や停止、スピードの変化、前後や左右、上下に動く、揺れる刺激を内耳が受けると、脳へ刺激が送られます。
ふだんよりも慣れない刺激がくり返し脳へ送られると、脳が混乱して自律神経というからだを調整している神経へ異常な信号を送ってしまい、その結果、生あくび、冷や汗、顔面蒼白、手足の冷感、気持ちの悪さ、嘔吐などの症状が起こってしまいます。小学校入学後から酔いやすくなり、高学年になるにつれて多く、小中学校の児童・生徒の30~40%、女子の方が多いという統計があります。
乗り物酔いを予防するためのポイントをご説明します。
・乗り物に乗る前日は睡眠を十分にとる
・食べすぎない
・本を読むなど下を向かないで、できるだけ遠くの景色を見る
・乗り物内の換気をよくし、嫌な臭いがこもらないようにする。
・歌をうたう、みんなでできるゲーム(TVゲームは不可)などをして、気分を紛らわせるようにする
・事前に酔い止めの薬を飲んでおく(校医や主治医へ内服について事前に相談しておくと安心)
・バスは前から4、5番目の席、船は中央部に乗る。
乗り物酔いが起こったときは、乗り物から降りることができれば、それが最善の方法です。できない場合は、横になるなど楽な姿勢になり、ベルトやシャツの首元など衣服の締め付けをゆるめます。浅い胸の呼吸になっている場合は、ゆっくりとした腹式呼吸を促します。車内の換気をよくして、ご本人の気持ちがよければ頭部を冷やすなどしてもよいでしょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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