無理を重ね、うつ病と復職をくり返す

体調が十分に戻らないなか、環境の変化や周囲のプレッシャーもあるとのことで、心身にかなりの負担がかかっている状況が想像されました。周囲の方々は、完璧に仕事をこなしているあなたを見て、もう体調は万全の状態に戻ったと思っているかもしれません。ますますあなたにかかる期待やプレッシャーが大きくなり、悪循環に陥るのではないかと心配です。

あなたはとてもまじめで責任感が強く、完璧主義な部分もあるのかもしれません。長所である一方、あなたを追いつめる側面でもあるようです。現状が少しでもよくなるように、今後の働き方や気持ちのもち方について、一緒に考えていきましょう。病気が回復途中とのことですので、現在通院治療を続けながら働いているという理解のもと、進めていきます。

あなたは復職してまだそれほど時間が経っていない状況と推察しました。一般的に、復職後しばらくの間は、体調に十分に気を配りながら、元気なときの7～8割の業務量や負荷を目安とし、無理をし過ぎないことが大切です。業務量や仕事の進め方などについて、主治医や職場の産業医の意見を聞いたうえで、上司と相談しながら考えていくのが望ましいと思います。まずは、職場での今の状況や体調を主治医に具体的に伝え、よく相談することをおすすめします。

そのうえで、ご自身でできる対処について考えましょう。確かに元々の性格をすぐに変えるのはむずかしいですが、今抱えている課題を整理し、やり方を工夫することはできると思います。

例えば、完璧にしないと気が済まない部分が変えられないのであれば、それ以外のところで調整できないか、考えるのも方法の１つです。もしあなたが、複数の仕事を１人で抱え、長時間残業などをこなしているのなら、業務量や担当する仕事の数を減らしてもらい、勤務時間内で終われるよう工夫してはどうでしょうか。いくつもの業務をすべて完璧にこなすのではなく、限られた業務を完璧にやるなら、それほど大きな負担にはならないはずです。治療中でもあるので、業務量について上司に相談し、配慮してもらうことが大切です。

一方で、完璧を求めてしまう傾向は、少しずつ考え方を変えられると、気持ちも楽になっていくと思います。完璧とは主観的な概念でもあります。あなたの求める完璧はどんな形のものでしょうか。職場から求められるもののほかに、自分なりのこだわりなども含まれていませんか。求められる以上の成果を出すのはすばらしいのですが、無理して体調を崩しては元も子もないのです。今一度、自分の完璧の基準を見直してみましょう。また、余裕や時間のないときはポイントを絞り、それがクリアできればよいと考えるなど、状況に応じて基準を緩められるとよいですね。

あなたの力を十分に発揮できるようにするためには、体調の回復を第一に考えることが大切です。心とからだからのサインに耳を傾け、主治医や上司などのサポートを得ながら、あなたに合った働き方を焦らず見つけてくださいね。