血圧の薬とグレープフルーツジュース
血圧の薬とグレープフルーツジュースを一緒に飲んではいけないと聞きました。なぜですか。

男性/50代
2022/01/28
高血圧の治療薬のなかには、グレープフルーツジュースと一緒に飲むと、薬の効果が強くなりすぎたり、副作用が出てしまったりするものがあります。代表的なのが「カルシウム拮抗剤」と呼ばれる薬で、成分名でいうと、「アゼルニジピン」「シルニジピン」「ニフェジピン」「ベラパラル」などです。
通常、薬は小腸で吸収されたあと、肝臓に運ばれて分解され、体外に排出されます。カルシウム拮抗剤の場合、この分解・排出を促す働きをするのは「チロクロームP450」という酵素ですが、グレープフルーツジュースには、チロクロームP450の働きを抑えてしまう成分(フラノクマリン類)が含まれています。そのため、薬がうまく排出されず、体内にとどまるため、効果が強く出すぎてしまうことがあるのです。この酵素の働きを抑える物質は、グレープフルーツの果肉の部分にも含まれているといわれ、ジュースだけではなく、果肉を食べる場合にも注意が必要です。なお、グレープフルーツと同じ柑橘類でも、ミカン、オレンジなどは影響を与えないといわれています。
カルシウム拮抗剤以外では、免疫抑制剤、脂質異常症の治療薬、睡眠薬、抗血小板薬、抗てんかん薬などの中に、グレープフルーツジュースと一緒に飲んではいけない薬があります。
カルシウム拮抗剤でも、薬剤によって相互作用が強くあらわれやすいものと、おこりにくいものがあります。くわしく知りたい場合は、かかりつけ医あるいは薬剤師に相談されることをおすすめします。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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