前立腺がんの治療法について知りたい

前立腺がんの治療方法には大きく、放射線治療、手術治療、ホルモン治療があり、ほかにPSA（前立腺特異抗原）監視療法といわれる方法もあります。治療法は、ステージ（病期）で区分されるがんの進行度、悪性度とPSA値などを検討して決められます。加えて、患者さんの年齢とこれから先の寿命、本人の病気や治療に対する考え方なども考慮されます。

放射線治療は、放射線を使ってがん細胞を死滅させる治療法です。からだの外から照射する方法と前立腺の中に放射性物質を入れた小さなカプセル埋め込み、前立腺の内側から照射する方法があります。からだの外から照射する方法としては、3次元照射と呼ばれる方法が広く行われており、IMRT（強度変調放射線治療）というさらに精度の高い進歩した方法で行う医療機関も増えています。

手術では、根治的治療として前立腺の全摘手術を行われます。開腹手術、腹腔鏡下手術のほか、近年では手術支援ロボットを用いて医師が遠隔でモニターを確認しながら腹腔鏡を操作するロボット手術も多く行われるようになっています。

ホルモン治療は、手術や放射線治療の補助的治療としてや、転移がある場合の治療として選択されます。PSA監視療法は、早急な治療が必要でない場合に経過を観察していく治療法です。3～6カ月ごとに直腸診とPSA検査、1～3年ごとの前立腺生検を行い、病状の悪化が考えられる場合は速やかに治療の開始を検討します。

これらの標準的な治療法以外にも、ホルモン剤以外の薬（抗がん剤、ステロイド剤、骨転移の痛みを抑える薬剤など）を用いた治療や重粒子線治療、ワクチン療法、超音波療法などがあります。先進医療や保険適用外の治療もあるので、主治医に相談しながら選択していくことが大切です。