Question

耳管開放症や耳管狭窄症とは

耳管開放症や耳管狭窄症について教えてください。

女性/30代

2022/01/28

Answer

耳管とは中耳と咽頭をつなぐ管のことで、中耳の圧力を調節する働きがあります。あくびをした時や唾を飲み込んだ時だけ、耳管が開放するのが正常な状態です。この働きによって中耳腔の気圧は外気圧と同じに調整されています。しかし、耳管が狭くなってきちんと開かなかったり、逆に開いた状態が続いたりすると、さまざまな症状が出現します。


耳管が狭くなってしまう疾患を「耳管狭窄症」といいます。

風邪や副鼻腔炎などによる耳管の炎症や、鼻の奥の腫瘍、アデノイドなどが原因となって耳管を圧迫し、耳の中の圧力が低下することで耳閉塞感(詰まった感じ)を起こします。しばしば滲出性中耳炎を引き起こす原因にもなります。

治療法として、鼻やのどの炎症を抑える治療と、鼻の奥から中耳に空気を送る耳管通気を行ないます。いずれも効果がなく、症状が強い場合には、鼓膜に小さな穴を空けてチューブを入れる鼓膜チューブ留置術を行なうこともあります。


耳管が開きっぱなしになる疾患を「耳管開放症」といいます。

原因不明の場合もありますが、ダイエットやストレス、抗がん剤の使用などで急激に体重が減った際に、耳管を圧迫している耳管周囲の脂肪が減り、耳管が開きやすくなることが原因で起こると考えられています。

症状は、耳閉塞感(詰まった感じ)、自声強聴(自分の声が響く)、耳鳴(自分の呼吸音が聞こえる)、難聴、肩凝り、頭痛、ふらつきなどさまざまで、おじぎをしたり、前かがみの姿勢になったりすると症状が軽快するのが特徴です。

治療は、まず体調管理を行い、体重を徐々に増やすなどの生活指導を行います。その他、薬物療法、耳管咽頭腔への処置、生理食塩水の点鼻、鼓膜への処置としてテープを張る、鼓膜チューブ留置術などを行い、難治例には耳管ピン挿入術を行うこともあります。


いずれの疾患も、原因や症状によって検査や治療方法は異なります。気になる症状がある場合は、耳鼻咽喉科を受診し、主治医とよく相談することをおすすめします。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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