母親の介護に疲れ、途方にくれています
高齢で認知症のような言動をする母親を私一人で介護しています。独身で兄弟もいないため、頼れる人がいません。母親は今のところ、最低限の身の回りのことはこなせますが、腰が悪いため外出ができません。また、心配性で私を頼りにしていて、会社へ頻繁に電話をかけてきます。このままでは仕事にも支障が出そうで、途方にくれています。
男性/50代
2021/12/21
65歳以上の高齢者が総人口の3割近くを占める超高齢社会が進む中、年老いた親を介護する男性が急増しています。男性には女性に比べて我慢強く、周囲に話すのが苦手な傾向があり、自分1人で何とかしようと思い、ため込んでしまうことも珍しくありません。
また、責任感が強いことも多く、介護にも仕事への取り組み方と同じように完璧を求め、弱音を吐くことは許されないと思ってしまうなどといったこともあるようです。その結果、精神的な余裕をなくしてしまうケースがしばしばみられます。
ご相談者の場合も、仕事を続けながら精一杯の努力をして、お母様の介護を続けてこられたのだと思います。今後、安心して介護を続けていける方法を考えていきましょう。
家族にはそれぞれの事情や歴史があり、自分たちの手で何とかしたいと思う人が多いようです。介護サービスがよくわからないことから、利用できるサービスがあるのに手続きをしていない人、介護される人が他人の手を借りることを拒み、利用したくてもできないご家族もいます。
男性に限らず、介護を1人で担うことは大変な困難を伴います。まずは利用できるサポートを確認して必要なサービスを取り入れてみてはいかがでしょうか。不得手な男性も多い料理や洗濯などの家事をサポートしてもらうだけでも、かなり負担が軽くなります。
特に最近では、完璧な介護をしようとして、長年続けてきた仕事を辞めてしまう「介護離職」が問題になっています。社会とのつながりを完全に絶ち切ってしまうことは、より孤独感を強め、精神的にも追い詰められることになります。また、仕事を辞めてしまうと、経済的な問題も発生します。
できるだけ今の生活を変えずに介護を続けていくためには、職場に現在のご自身の状況を伝えておくことが大切です。周囲の理解を得ておくと、何かあった場合に大きな迷惑をかけずにすむほか、思いがけないサポートを得ることもあるでしょう。
苦しみを1人で抱え込まないためには、介護の正しい情報を得ることが重要です。同じ悩みを持つ人と話し合い、悩みを分かち合うことも助けとなります。最近では、各地に男性介護者のための集まりができてくるなど、介護に悩みを持つ男性が専門家に相談できる場や、当事者同士が悩みを打ち明けられる場も増えてきました。同じ立場にいる人だからこそ、苦しい胸の内を吐き出し、共感し合えることがあるかもしれません。
介護者が健康を害して、共倒れになってしまっては元も子もありません。電話相談のように、家にいながらでも簡単に利用できるサービスがあります。さまざまなサービスを活用することで、悩みを抱え込まないようにして、ご自身の体調も守ってください。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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