大動脈瘤の治療で行うステントグラフト内挿術とは
今度、大動脈瘤の治療で、ステントグラフト内挿術という手術を受けることになりました。これはどのような治療法ですか?
男性/50代
2021/12/21
大動脈瘤の治療法として、近年増えているのがステントグラフト内挿術です。
これまでは、胸部あるいは腹部を切り開いて動脈瘤を確認し、代わりに人工血管を埋め込む手術、人工血管置換術が一般的でした。ステントグラフト内挿術は、血管に細い管(カテーテル)を挿入して、ステントグラフトを患部に装着する手術方法です。
ステントグラフトとは、人工血管(グラフト)に金属骨格(ステント)を縫いつけてあるものです。細い管の中につぶした状態で格納してあり、大腿動脈などから血管内に挿入します。
脚のつけ根を4~5cm切開して動脈内にカテーテルを挿入し、動脈瘤のある部位まで運んだところで収納したステントグラフトを放出します。胸部や腹部を切開する必要はありません。放出されたステントグラフトは、金属バネの力と血圧により広がって血管内壁に張りつくので、外科手術のように直接縫いつけなくても自然に固定されます。
ステントグラフト内挿術は、切開部をより小さくすることができ、所要時間も短いので、からだにかかる負担が少ないのが特徴です。大動脈瘤は切除されず残りますが、瘤はステントグラフトによりふたをされることで血流がなくなり、次第に小さくなる傾向がみられます。また、たとえ瘤が縮小しなくても、拡大を防止することで破裂の危険性がなくなります。
大動脈瘤の治療では、瘤のある部位や形態、また身体状態などを確認したうえで、外科手術とステントグラフト内挿術のメリット・デメリットについて十分に検討し、納得して治療法を選択することが大切です。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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