気胸の再発が心配
先月、気胸の手術を受けました。背中が痛んだりすると、再発ではないかと不安になります。
女性/30代
2021/12/21
気胸は、肺の表面にブラという直径1cm程度の空気のたまった袋ができ、それが破れて起こります。胸膜の間の胸腔内に、漏れた空気が貯留して、肺が虚脱(肺がつぶれる)した状態です。気胸の多くは自然気胸で、自覚症状は突然の呼吸困難と胸痛です。
若い人の自然気胸は、持病に呼吸器疾患がないことが多いです。成長期にブラが作られ、ある日突然発症します。60歳代以上では、慢性閉塞性肺疾患など肺の病気に続いて気胸が発症し、喫煙者に多く見られます。
気胸はよく見られる病気ですが、なぜブラが破れて気胸を起こすのか、なぜ再発するのかなどの発生機序や治療法の選択など、まだ十分な科学的根拠が揃っていない病気の一つです。
治療法は、軽度の気胸は自然に治ることが多いため、安静にして経過観察を行います。中等度以上になると、胸腔内に管(ドレーン)を入れて肺を膨張させる治療(胸腔ドレナージ)を行います。一般的に手術適応になるのは、胸腔ドレナージなどの治療をしても空気の漏れが持続する場合、再発や両側に気胸が起こった場合などです。気胸の再発を予防するためには手術が必要で、現在は胸腔鏡手術が普及しています。
また、気胸の中には月経随伴性気胸というものがあります。女性で子宮内膜症の患者は、子宮内膜が血流にのって遠くの臓器に病巣を作ることがあり、この病巣が肺に飛ぶと、気胸の原因になる場合があります。月経随伴性気胸は、呼吸器科と婦人科が協力して治療を行います。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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