子どもが部屋にこもり会話ができない
子どもが部屋にこもって話をしようとしません。話しかけようとすると暴力的な言動が返ってきます。専門家に相談すべきでしょうか。

女性/30代
2021/12/21
親子の会話が失われる状況にはいくつかの理由があります。一時的な反発や甘え足りなさからくる怒りの表現であるかもしれませんし、何らかのコミュニケーションへの怖れが生じている場合もあります。また、その原因を本人も自覚していないことが大半です。時には、メンタル症状に由来することもあり一様ではありません。
子どもがこもってしまい誰とも話そうとしない状況は、できるだけ早期に解消したほうがよいと勧める臨床家もいます。常態化してしまうと、ますます活動する気力が失われていくと考えるからです。一方で、蝶が羽化して飛び立つのを待つように見守るべきという考え方もあります。いずれの考えにも理由があるのですが、まず子どもの状態を正しく理解し、子どもに合った接し方を考える必要があります。
さてご質問への返答ですが、無理に心の窓を開かせようとすると一般に逆効果となりうまく行きません。親の不安や焦る気持ちを抑えることがまず大切です。本人の様子を見て、つらそうにしているようなら時折り声をかけ、専門家に相談することを提案する言い方がよいでしょう。すぐに受診や相談に行かせようとすると、あたかも壊れものを修理に出されるような印象を受け、理解してくれないと感じてしまうことが多いのです。
大切なのは子どもを理解しようとする気持ちです。理解しようと耳を傾けてもらう経験は、親からの愛情として感じられることが多いからです。子どもと会話を試みようとして、すれ違いが生じてうまく行かない場合には、ただ子どもの話を聴き、心の世界を理解する努力をしてみてください。子どもへの愛情は言葉だけではなく行動でも伝わるものです。
ゆくゆくは、子どもさん自身が相談を受けることがよいのですが、どうしても人と会って話すのが難しいというときは、親が面接相談を受けることも役立ちます。子どもの心情の理解、接し方などが変わると、親が関心を持ってくれていることが伝わるからです。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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