精神科と心療内科の違い
職場のストレスが原因で体調を崩しています。思い切って早めに受診することにしましたが、精神科と心療内科、どちらを受診すればいいいのかわからず困っています。
女性/20代
2021/12/21
かぜをひいたときや、けがをしたときなどに、内科や外科を受診した経験があっても、メンタルの不調は何科で診てもらえばいいのかと戸惑う気持ちはよくわかります。そして、「心療内科はどんな科なのか」「精神科を受診するのは怖い」など、疑問や不安が生じるのも自然なことです。そんな中で、「一日も早く受診しよう」と決断した、あなたの勇気をむだにしないように、適切な受診へのお手伝いができたらと思います。
まず、あなたが感じている症状について整理しましょう。もし、胃痛やめまいなどの身体的な症状が主な場合には、心療内科をお勧めします。心療内科は「内科」に属しており、からだの不調の発症や経過に、ストレスや悩みが大きく関わっているものを専門とする診療科です。「こころとからだはつながっている」という考えのもとに、心身両面のバランスを整えながら治療をしていきます。内科を受診し、検査の結果、身体的には異常がなかった場合に、心療内科の受診を勧められることもあります。からだの状態や機能を確認してから、こころの側面にアプローチすることが、大切な視点になります。
一方、不眠や不安、落ち込みや気力の低下など、精神的な症状が主な場合には、精神科の受診をお勧めします。幻覚や妄想、死にたい気持ちがあるなど、より強い精神症状も精神科での治療になります。しかし、精神科に対して、未だに根強い偏見があり、ハードルの高さを感じる人がいることも確かです。ですから、「精神科」と「心療内科」の両方を看板に掲げている医療機関や、「メンタルクリニック」とだけ称している医療機関もあります。こうした「配慮」が、かえって患者側の混乱を招いている面もあるかもしれません。
頭では理解していても、両者を厳密に区別できないこともあるでしょう。迷った場合は、医療機関に電話で問い合わせてはいかがでしょうか。心療内科や精神科は予約診療が一般的ですから、いきなり受診するのではなく、電話をかけることから始まります。ここで、症状をしっかり伝えることが、適切な科への受診につながります。また、スタッフの電話応対などから、その医療機関の雰囲気を感じ取ることも、安心して受診するための材料になります。さらに、医療機関によっては「うつ病の患者を多く診ている」「高齢者を専門としている」などの専門性や得意な分野があるため、ホームページなどで医師の経歴や医療機関の特徴を調べることも、判断の助けになるはずです。
また、「こころの相談窓口」では、当相談室と提携している医療機関や、一般の医療機関の情報を提供するサービスも行っています。病院探しだけではなく、受診する前の心構えや不安についての相談もできますので、どうぞ、お気軽にご利用ください。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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