Question

物が捨てられず片づけができない夫

夫は独身時代から、趣味の読書で集めた本や資料で部屋があふれかえっているだけではなく、古い写真や衣服なども捨てようとしないため、物がどんどんたまっていきます。何度も注意していますが、「まだ必要だから」「もったいない」などと言い訳をするばかりで、捨てようとしません。物だらけの部屋を見ると思わず捨てたくなります。最近では「もしかしたら夫は病気ではないか」と思うようにもなり、対応に困っています。

女性/30代

2021/12/21

Answer

豊かな時代といわれ続けている今、私たちの周りには物があふれています。日々の生活の中で、どんどん増えていく物に対して、さまざまな理由や思い入れから「なかなか捨てられない」「物がたまっていく」という悩みは、多くの人が抱える問題ではないでしょうか。しかし、日本の住宅事情では物を収める空間には限りがあるのが現状です。そのため、「上手に取捨選択して物を捨て、整理整頓して快適に暮らす」ことがとても大切であり、あなたがそれを望んでいることも当然だと思います。


ご主人は「なぜ、物を捨てられない」のか、その気持ちを理解することから始めてみましょう。あなたから見れば「こんな物、捨ててしまえばいいのに」と思える物が、ご主人にとっては、例えば「思い出の詰まった大切な物」である可能性もあります。「物が捨てられない」のではなく、「思い出を捨てられない」のかもしれません。ご主人の気持ちがわかれば、「捨てられない物」に対して、納得がいくかもしれません。ですから、いくら邪魔だと思っても、ご主人の了解なく勝手に捨てることはご主人を傷つけることになります。また、ご主人は「本当は片づけてすっきりしたい」と思っているのに、「一人では無理だし面倒」と感じ苦しんでいる可能性もあります。二人で話し合うことによって、捨てる決意を後押しできることもあるでしょう。二人で作業することで効率も上がるはずです。


ところで、ご主人の物が氾濫しているのは自分の部屋だけでしょうか。リビングなど夫婦共有の場にまで及んでいるのでしょうか。夫婦の共同スペースまで物が氾濫しているのであれば、お互いが納得するためのルールづくりが必要です。これを機に、ご主人にも「二人の空間」だということを再認識してもらうため、「どのようなルールを決めて、どう快適に暮らしていくか」について、冷静に話し合うことをお勧めします。


それでも、なかなか改善が見られない場合、病気や障害が原因であることもあります。また、衛生上の問題や物が崩れ落ちるなどの危険が懸念されるときは、一刻も早く改善する必要性が出てきます。うつ病やうつ状態に陥りエネルギーがない状態になると、物を捨てたり片づけたりする気力が減退して、行動に移せないことがあります。また、持って生まれた脳の働きのアンバランスさにより、「片づけることが苦手」で整理整頓が困難な場合もあります。どちらにしても、「生活に支障をきたしている」「家族に迷惑をかけている」という側面があれば、専門家に相談したほうがよいかもしれませんね。ご主人にも「自分ではどうしようもないから、専門家に相談したい」という気持ちがあるようなら、心療内科などの専門機関を受診してみるのも一案です。また、受診に迷いや戸惑いがありましたら、当相談窓口に電話相談していただくこともできます。まずは改善への第一歩として、どうぞお気軽にご利用ください。お二人にとって、心地よい空間が得られることをお祈りしています。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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