独立した娘に干渉しすぎてしまう
この春、娘は大学を卒業し、他県へ就職するために家を出て一人暮らしを始めました。今までずっと一緒に暮らしていたので、「ちゃんとご飯を食べているのか」「仕事はうまくいっているのか」などと考えては気になり、毎日のように電話やメールをしてしまいます。干渉しすぎたせいか、最近では無視されることも多くなり、このままでは関係も悪化しそうで不安になっています。

女性/50代
2021/12/21
娘さんが無事に大学を卒業し、晴れて社会人となり、自立の道を歩んでいるのですね。これは親にとってのかけがえのない喜びであり、娘さんのために、親としての役割を立派に果たした証でもあります。ここで肩の荷を下ろしてほしいところですが、いくつになっても子どもは子どもです。ましてや、初めて親元を離れて暮らすとなれば、あなたがどれほど心配しているのか、よく理解できます。心配のあまり干渉しすぎてしまい、娘さんとの関係が悪化していく不安を感じているとのことですが、だからこそ今、娘さんとのかかわり方を考えるのは、とても意義のあることだと思います。
あなたは、なぜ娘さんのことが気になり干渉しすぎてしまうのか、考えてみましょう。あなたの心の中には、「娘にはこうなって欲しい」と願う理想があり、それに娘さんを重ね合わせようとしているのかもしれません。また、「娘がこうなったらどうしよう」という自分自身の不安が隠れているとも考えられます。このように「過干渉」といわれる行為は、無意識に行われていることが多く、その思いに気づかないこともあります。しかし、あなたは自分が干渉しすぎていることに危機感を抱いています。あなたが自分の状態に気づき、このままではいけないと感じているのはとても大切なことで、それが現状を変えていく原動力にもなることでしょう。
親子関係では、「干渉する」より「見守る」ことのほうが大切だといわれます。しかし、離れた場所にいる娘さんを「見守る」ことは、実際にはとても難しいことでしょう。まずはその第一歩として、娘さんを信じてあげることです。そして、たとえば毎日のメールや電話の頻度を減らし週1回にしてみることで、逆に娘さんからのメールが増えるかもしれません。そうした試行錯誤を重ねながら、お互いが心地のいい「つかず離れず」の関係をつくることができれば最良だと思います。それが、娘さんの自立心を養うことにもつながるのではないでしょうか。
今、あなたには「子離れをする」という試練が与えられていると考えることもできます。離れて暮らすことをプラスととらえ、あなた自身もまた成熟していくためのチャンスだと考えてみてはどうでしょうか。また、子ども中心だったあなたの生活スタイルを、自分そして夫婦中心の生活に切り替える絶好の機会でもあります。親がいきいきと暮らすことが、娘さんの安心や元気の素にもなっていくはずです。
親のありがたさは、離れてみて初めて実感できるものです。これを機に、あなたと娘さんの新しい関係性を構築することができるといいですね。そして、あなたが「気持ちのよい距離感」をつかむことができるように願っています。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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