非常識な同僚に振り回されている

仕事に前向きで一生懸命なあなたにとって、仕事の大切さや社会人としての常識から逸脱している同僚の行為に、苛立ちや怒りを覚えるのは当然で、お気持ちはよくわかります。他者の行動が理由で、仕事に集中できなくなるのは、どうにも納得がいかないものです。そして、業務にも支障が出ているのですから、ここは「仕事にかかわる職場全体の問題」として、考えてもらうことが大切です。

そもそも、あなたと彼女との関係は、上司と部下ではなく同僚です。そこに上下関係はなく、あなたは彼女を指導する立場にはありません。ですから、自分だけで問題を抱えず、「部下を指導する立場にある」上司に相談するのが賢明です。その際、「嫌い」、「合わない」など、個人的な感情を訴えるのではなく、同僚の行為を具体的に挙げ、起こっている事実をそのまま伝えてみてください。一個人の感情は「主観的なもの」と判断される可能性がありますが、実際に起きている事実は「客観的なもの」であり、上司への説得力に違いが出てきます。

上司が忙しかったり、話しづらかったりすると、相談することをためらうかもしれません。しかし、会社には、社員が安全に働ける環境を作る義務があります。上司には、部下が安心して働けるようマネジメントする役割があるのです。部下のことを大切に考えている上司であれば、相談してきたことを歓迎し、力になってくれるはずです。

あなたは、同僚への嫌悪感から「なぜ、私だけが苦しむのか」、「どうして、こんな環境なのか」と自分の置かれた状況を恨めしく思うかもしれません。しかし、誰しも職場環境を選ぶことはできません。環境を変えられないなら、「職場では人間関係も仕事のうち」と考え、たとえ、非常識な同僚でも、挨拶や伝達など、最低限の関係性を保つことも仕事と、捉え直してみてはどうでしょうか。また、「なぜ非常識なのか」、「真面目にできないのか」と追い求めて期待するより、「こういう人なのだ」と割り切り、深く考えないようにしてみましょう。

今まで、同僚が気になり、そこに意識が集中してしまったことで、あなたの視野が狭くなっている可能性があります。ここで改めて今の職場を見渡して、尊敬できる上司や先輩はいないか、仕事の枠が広がる可能性はないかなど、職場の良いところを探してみてください。あなたの大切なエネルギーは、 非常識な同僚ではなく、本来の目的である「スキルアップ」や「やりがい」へと注がれるべきものです。あなたの能力が、自分自身の成長のために使えるように、心から願っています。