仕事がうまくできない自分は発達障害?
学生時代は、特に大きな問題を感じることなく過ごしてきましたが、社会人となって数年、仕事につまずいて困っています。約束を忘れて、関係先に迷惑をかけたことが何度もあるうえ、書類の整理もできず、上司や同僚とかかわるのも苦手で、ミスを連発しています。周囲の目も気になり、落ち込む毎日です。自分なりに工夫しても、なかなか改善しないため、もしかしたら発達障害なのではないかと不安になっています。
男性/20代
2021/12/21
近年、「発達障害」という言葉が注目されるようになりました。メディアで発達障害が取り上げられ、情報が世間に広まれば広まるほど、「自分は発達障害かもしれない」と不安になる人もいると思います。発達障害とは、注意欠陥多動性障害やアスペルガー症候群、学習障害などの総称です。言葉や社会性、感情のコントロールなど、さまざまな機能がアンバランスになるために起こるもので、本質的な原因は脳の発達に関係していると考えられています。
発達障害を子どもの障害だと思う人がいるかもしれませんが、社会に出てから要求される「対人スキル」や「自己管理能力」などの壁にぶつかったことで症状に気づき、大人になってから診断されるケースも増えています。あなたは、「仕事がうまくできない」という悩みに加え、「発達障害かもしれない」という心配が重なることで悪循環を起こし、さらに不安をふくらませているようです。人には誰しも「得意なこと」と「苦手なこと」があります。仕事していくなかで「自分の苦手な部分に気づいた」ことを前向きに捉え、「働きづらさ」にどう向き合えばいいのか、考えていきましょう。
この問題に対処するには、専門家の力を借りることをお勧めします。「受診」は、「病気や障害」を判断するだけが目的ではありません。診断の結果いかんにかかわらず、自分の苦手な部分を見つめ直し、「どのように仕事や生活に適応していくか」を相談することもできます。もし、発達障害と診断された場合、診断名を上司に伝えたほうがいいのか、どのように働けばいいのか、さまざまな不安が襲ってくることでしょう。医師やカウンセラーに相談することで、自分に合った働き方を考えていくことができるはずです。実際、得意分野に活路を見出し、いきいきと働いている人もたくさんいます。
失敗を多発し、周囲から非難されることが多くなると、「自分はダメな人間だ」と自信を失い落ち込んで、二次的に、うつ病や不安障害などを発症してしまうこともあります。また、「できないこと」にばかり焦点が当たると、「得意なこと」、「好きなこと」に目がいかなくなります。「今のままではつらい」と感じたら、あなたの「強み」を見失わないためにも、専門家に相談することをお勧めします。自分の傾向や癖に気づくことが、今後の「働きやすさ」につながると思います。あなたが自分なりに努力しながら、仕事を投げ出さずに継続していることは、責任感の強さです。これからも大切にしてください。
ただ現状では、成人の発達障害を診断できる医師は限られています。「どこを受診したらいいかわからない」、「いきなり受診はハードルが高い」と感じたら、各都道府県の「発達障害支援センター」を利用してみてはいかがでしょう。就労に関する相談のほか、専門の医療機関を紹介もしてくれます。また、当窓口の電話相談を、ぜひ活用してください。あなたが感じている迷いや不安を、一緒に考えていきましょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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