Question

年上で男性の部下との接し方

異動により、自分より年齢が上で、社歴の長い男性が部下になりました。初めての経験なので、どのように接していいのか悩んでいます。また、上司として気になることもあり、指導や助言をしたいのですが、遠慮したり気を使ったりすることが多く、うまくかかわることができません。部下の男性も、やりにくいと感じているような気がしてなりません。

女性/40代

2021/12/21

Answer

女性の社会進出が活発となり、女性の管理職登用が積極的に行われるようになると、部下が男性であることも珍しくなくなりました。しかし、その男性部下が自分よりも年上で、社歴も長いとなると、かかわり方に難しさを感じるのは当然のことだと思います。上司として「言うべきことをしっかり伝えたい」と思う一方で、「年上だから気を使ってしまう」、「私より仕事をよく知っているはず」と気後れしてしまうこともあるでしょう。この独特の関係性による、仕事上のやりにくさを解消するための方法を考えていきたいと思います。


 あなたにとって「上司」とは、どんなイメージでしょうか。上司なのだから「部下に対して毅然としていなければならない」、「人間的にもすぐれていなければならない」と考えているかもしれません。しかし、会社において「上司」とは、あくまでも役割なのです。ですから、性別や年齢といった固有の属性をことさら意識する必要はないのです。つまり、役割としての指示や注意をしっかりと行い、上司としての役割をきちんと遂行することを、会社からも部下からも求められているということです。役割だと捉えれば、割り切って考えることができると思います。


 また、「役割性格」という考え方があります。役割性格とは、持って生まれた気質や性格と違って、自分の立場や役割によって、それにふさわしい性格が加わってくるという意味です。部下から「偉くなったら、急に傲慢になった」などと言われるのは負の役割性格で、「頼りないと思っていたのに、役職に就いたら頼りがいが出てきた」、「責任感が出てきた」などと思われるのが、役割性格の本来の姿です。周囲を気にする前に、自分自身を「上司らしく」磨いていくことにエネルギーを注いでみてはいかがでしょうか。


 一方で、部下の経歴や功績、人間性の豊かさなどに対して、敬意を表すことも大切です。仕事上のやりとりだけではなく、さまざまな場面で、年上の部下から「知識や知恵を借りる」ことができますし、それが自分を磨く上でも役に立つでしょう。困っている人に対して、手を差しのべたくなるのは、人間として自然な心情です。年上の部下も、頼りにされることで、あなたに対する「壁」のようなものを取り払ってくれるかもしれません。年配者を立てて、時には教えを乞う、知恵を借りるという態度も大切なのだと思います。


 あなたの誠実な態度が伝われば、仕事以前に基本的な人間関係を築くことができるはずです。安定した土台ができることで、あなた本来の上司の役割が果たせるようになり、指導や助言もスムーズに行えるようになるのではないでしょうか。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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