子どもが家を出てから、毎日寂しい
今春、長男が大学進学のために家を離れ、続いて長女も結婚のため、家を出て行きました。いつかはこういう日がやってくるものと覚悟していましたが、今まで、子育てに生きがいを感じながら、にぎやかに暮してきただけに、毎日の生活が寂しくてたまりません。最近では、食事をするのも面倒になり、夜もなかなか寝付けません。これから、自分は立ち直っていけるのかと、不安でいっぱいです。
女性/50代
2021/12/21
手塩にかけて育ててきたお子さまたちが、立て続けにあなたのもとから離れていったのですね。まるで、こころにぽっかりと穴が開いたような心境ではないでしょうか。子どもが成長し、進学や就職、結婚などで家を出て行くことは、自然の流れであり、乗り越えなければいけない試練だといえます。しかし、いざそのときを迎えると、想像以上の寂しさに戸惑う方は少なくないようです。この状態は、ひな鳥が巣立ったあと、空になってしまった鳥の巣にたとえ、「空の巣症候群」と呼ばれています。
親の保護を必要としなくなることは、お子さまたちの自立のためには喜ばしいことだと考える一方で、「もう自分は子どもには必要とされなくなった」とも感じられ、親としての大きな役割を失うという、つらい体験でもあります。この強い喪失感により、言いようのない寂しさや孤独感、不安感などの症状のほか、頭痛や吐き気、食欲不振などの身体症状を伴うこともあります。また、更年期の時期と重なることで、さらに症状がひどくなることもあります。このような状態の中では、「これからどのように生きていけばいいのか」と途方に暮れてしまうのも無理はないと思います。
今まであなたは、自分のことを二の次にして、お子さまたちのことを、何よりも最優先に考えて生きてきたのではないでしょうか。子育てという仕事は、10年20年と継続する大変な苦労を伴った大仕事です。その重荷を、ようやく肩から降ろした今、お子さまのためにがんばってきた心身を、しっかりと休めることから始めてみませんか。これからは、自分のための時間を作ることに罪悪感を持たず、今まで、したくてもできなかったことに目を向け、そのために時間を使うことも大切です。そんな中から、新しい自分を発見できるかもしれません。
巣の中は空になっても、巣そのものは残っているはずです。今後、お子さまたちが、新しい環境で道に迷い、壁にぶつかったとき、安心して帰ることのできる場所を、これから、あなたが大切に守っていくという役割があるのではないでしょうか。離れたからといってお子さまとの親子関係そのものが終わってしまったわけではありません。むしろ、お子さまたちが立派に巣立っていったことに誇りを持ってはいかがでしょうか。
それぞれが離れた場所にいても、気持ちはしっかりとつながっている。そんな新しい家族の形の始まりととらえることもできます。そして、あなたが生き生きとしている姿を見せることによって、お子さまたちも安心して新しい生活に向き合えると思います。そんな気持ちで、お子さまたちを見守っていけたらいいですね。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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