夫がアルコール依存ではと不安
ストレスの多い職場にいる夫は、発散方法としてお酒を飲む機会が多くなりました。酒量はどんどん増し、今では毎日欠かさず飲み、休日は朝から飲むこともあります。私がやめるように話しても、なかなか聞いてくれません。最近では「アルコール依存症かもしれない」と言うようになり、私もそうではないかと心配になってきました。このままでは、仕事もできなくなるのではと不安でたまりません。
女性/50代
2021/12/21
ストレス発散や気分転換のほか、親睦や接待などでお酒を飲む機会は、とても多いものです。
お酒は「百薬の長」と言われ、適量なら血流をよくし、楽しい気分にもなるので、必ずしも悪いものとは言い切れません。その一方で、お酒には強い依存性を生む薬物という側面もあり、時として人格を変えてしまうほど恐ろしいものにもなります。
ですから、お酒を飲む習慣のある人は、誰でも依存症になる可能性があるのです。お酒への依存が進むと、肝臓などに異常をきたし、身体的なダメージを受けるだけでなく、日常生活を送る上でも、仕事ができなくなったり、対人関係での信用をなくしたりと、アルコールが引き起こす問題は深刻の一途を辿ることになります。そのような悲しい結果とならないためには、早目に対処することが大切です。
あなたの懸命な説得にもかかわらず、ご主人は「そのうちやめるから」という言葉を繰り返していませんか。それでも、いつまでも経ってもやめないご主人に対して、あなたは「どうしてやめてくれないのか」と怒りや情けなさで一杯になっていることでしょう。
ご主人が飲酒をやめられないのは、本人の意志が弱いからではなく、「依存症」という病気だからです。ご主人も心配されているアルコール依存症は「否認の病」とも言われます。「いつかはやめられるから病気ではない」という認識が強いと共に、「やめたいのにやめられない」という葛藤にも悩まされ、ご主人自身が苦しんでいる可能性もあります。しかし、病気だからこそ、一日も早く専門家による治療が必要なのです。
アルコール依存の治療には、一般的なメンタルクリニックではなく、依存症治療を専門としている医療機関を受診することが重要です。依存症の専門病院では通常、本人だけでなく、ご家族の相談も受けています。ご主人が受診に踏み切ってくれない場合は、まず、あなたが先に受診し、現状を説明し、家族としての心配を伝えてください。そして、今後、どのようにしたら本人を受診させられるかを医師に相談しましょう。また、医師の治療だけではなく、当事者同士のミーティングや断酒会、家族会などを行っているところもあり、幅広いアプローチで病気と向き合うことができるはずです。
ほかにも、居住地域の保健所や精神保健福祉センターでも、家族相談や知識を得るためのセミナーなどを開催していたり、近くの専門医療機関を探すサポートをしてくれたりします。一人で苦しみを抱え込まず、専門家に相談することから始めてみてください。それによって、あなたの苦しみも改善されることを願っています。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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