毎年、秋になると気分が沈み落ち込む
近頃、なぜか秋になると、さびしくて物悲しい気持ちになります。気分が沈んで、外出するのも面倒くさくなります。これは季節のせいなのでしょうか? このまま、落ち込みが改善しなかったら、家事や子育てにも影響が出そうで心配です。
女性/40代
2021/12/21
季節の変わり目になると、気温の変化に適応することが難しくなって、つらさを訴える方が、とても多くなるように感じます。特に、夏から秋への場合、輝いていた太陽の光が弱まり、青々と茂っていた木々の葉が枯れ落ちていく光景に、悲しい気持ちになったり、寂しさでいっぱいになったりするという体験は、誰にもあることではないでしょうか。毎日毎日、確実に日が短くなっていく様を、自身の老いに重ね合わせる方もいるようです。
この原因の1つが、日照時間にあると考えられています。太陽の光を浴びることは、体調と深い関係があります。実際、うつ病の治療の中には、高照度の光を浴びるというものもあります。気分が落ち込むと、外に出るのが面倒になり、部屋に閉じこもりがちになるものです。そんなときは無理に外出する必要はありません。朝になったらカーテンを開けて太陽の光を入れたり、ベランダや窓際に立って光を浴びたりするだけでいいので、ぜひ試してみてください。
しかし、季節だけが原因ではなく、何か別の要因が隠れている可能性もあります。家庭内で、日々抱えているストレスや問題を見落としてはいませんか? 新年度が始まり、何かと慌ただしかった4月から、ジメジメとして不快だった梅雨時を経て、楽しかった夏休みなど、さまざまな出来事を乗り切ったこころとからだは、知らず知らずのうちに大きなダメージを受けているかもしれません。頑張ったこころとからだを点検してみてください。
そして、秋を物悲しい季節と考えず、「食欲の秋」「読書の秋」「行楽の秋」といわれるように、楽しみも多く、充実の季節であると捉えてみましょう。酷使して夏を乗り切った心身をゆっくりと休めてから、何か好きなことを始めるには、とても良い季節だと思います。
温暖化の影響もあり、季節の移ろいにも多少の変化がありますが、物悲しいと感じる秋も、冬を越えたその先には、必ず春がやってくるということも、頭の中に入れておいてください。また、「この時期になるといつも調子を崩す」といった、自分の1年の体調のメカニズムを確認しておくことは、予防にもつながる大切なことです。
それでも、気分の落ち込みなどが長く続くような場合には、季節性うつ病、冬季うつ病と診断されることがあります。症状が改善せず、仕事や生活に支障が出てくるようでしたら、思い切って受診をして、専門家に相談してみるとよいでしょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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