Question

コミュニケーションが苦手な部下への接し方

20代の部下が、周囲の人とうまくコミュニケーションが取れず、発達障害の疑いがあります。その場に応じた対応ができず、不自然に人を凝視したり、言葉遣いや服装がTPOに合っていなかったり、仕事が予定通りに進まないと混乱してパニックになったりして、周囲の人もどのように接してよいのかわからず戸惑っています。

男性/40代

2021/12/21

Answer

発達障害ではないかと思われる部下への接し方に悩んでいるとのこと。行動特徴をきちんと把握していることからも、あなたが部下の行動に目を配り、きちんと対処していこうという意志を強く持っている様子が伺えます。その一方で、その対応に困惑されている職場内の様子も伝わってきました。


部下が発達障害であるかどうかは医師の診察によって判断されますので、ここでは発達障害の可能性がある場合を想定してお話しさせていただきます。


発達障害の人は、人間関係づくりやコミュニケーションを取ることが苦手な傾向にあり、年齢や社会経験を考えたときに、周りから見るとアンバランスな感じがあり、理解されにくい障害です。例えば、相手の表情や仕草からその人の感情を読み取ったり、状況に合わせた適切な振る舞いが不得手だったりします。また、興味や関心に著しい偏りがあったり、想定外の出来事に柔軟に対応できなかったりなどの特徴も挙げられます。発達障害を疑われるのであれば、まずは上記の特徴や傾向があることを周囲が理解することが大切です。ぜひ、周囲の人とも一度お話しする機会を設けてみてください。


そして、具体的な接し方ですが、発達障害の人は「その場に適した服装や振る舞い」が苦手です。ですから、周りからみて違和感がある場合には、そのことを本人に伝えるようにしましょう。「言わなくても(常識だから)わかるよね」というような曖昧な表現は、混乱を招きますので、「服装が合わないよ」と注意するのではなく、「襟のある洋服にするほうがいいよ」など、できるだけ具体的な例を出して伝えるようにしてください。言葉遣いについても、同じように具体的な例を挙げながら伝えるとよいでしょう。


また、特徴のひとつとして予定の変更を上手く受け入れられません。仕事のスケジュール変更や、予定通りに進まないことは日常的によくあることかとは思いますが、発達障害の人はそのことでつらさを感じ混乱を生じます。できるだけ一緒に小まめなスケジュールの調整を図ることや、予定通りに終わらない可能性があることもあらかじめ伝えておくことで、パニックに陥りにくくなるかと思います。周りから見ると理解しにくい言動に戸惑われる部分もありますが、一方で優れた能力の持ち主でもあります。この部下ならではの得意分野を伸ばすかかわり方も検討してはいかがでしょうか。


いずれにしても、部下の人と一度お話しすることをお勧めします。本人なりの悩みやつらさを抱えている場合も少なくありません。じっくり話し合ったうえで、本人に適した業務やサポート方法を見つけていくことが、職場の皆さんの戸惑いの軽減につながるのではないでしょうか。


なお、眠れていない、食欲がない、沈んだ様子などが見受けられるようでしたら、心配していることを伝え、職場の産業医への面談なども勧めるようにしてください。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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