Question

5歳の息子が嘘をつくようになった

幼稚園に通う5歳の息子が、最近、嘘をつくようになりました。おもちゃを壊したことを弟のせいにしたり、明らかな仮病をつかって幼稚園を休もうとしたりします。思わず叱ってしまうと、大声で泣き出すため、対応に困っています。共働きのせいで、毎日忙しく過ごしているため、私のかかわり方に問題があるのかとも思ってしまいます。息子が嘘をついたときには、どのように接していけばいいでしょうか。

女性/30代

2021/12/21

Answer

昔から「嘘つきは泥棒のはじまり」といわれるように、嘘をつくことは、悪いことをする第一歩になるという考え方が根強くあります。そのため、嘘に嫌悪感を覚える人が多いのでしょう。ましてや、自分の子どもが嘘をつくようになったとなれば、とてもショックで、親として困惑するのは自然なことです。その一方で、お子さんの成長に伴って、嘘をつく目的を意識できるようになったのだとすれば、それは正常な発達の証しともいえます。なぜ、お子さんが嘘をついてしまうのか、その状況を理解することから始めてみましょう。


たとえば、おもちゃを壊してしまったとき、「お母さんに怒られてしまう」と感じることで、その恐怖から逃れるために「自分ではない」と言ってしまった可能性があります。この場合は、「自分を守るための嘘」と考えることができます。怒られてばかりいる子どもは、親を怖い存在だと捉えているかもしれません。このような場合は、「嘘をつかれるとお母さんは悲しい。悪いことをしても、本当のことを話して謝ってくれたほうが、ずっとうれしい」と、率直に伝えてみてはどうでしょうか。


また、親が忙しくしていて、自分をかまってくれないようなとき、「頭が痛い」、「気持ちが悪い」などと言っては、親の注意を引こうとすることがあります。この場合は、「さびしいから、もっとかまってほしい」という意志表示です。そんなときは、「一人でさびしかったのね」、「お母さんは、いつもそばにいるからね」とやさしく声をかけ、安心させてあげましょう。


ほかにも、いじめなどのトラブルを隠すため、親に心配をかけまいとして、嘘をつくこともあります。さまざまな嘘に共通していえることは、多くの場合、子どもの嘘に悪意はなく、何らかのメッセージが込められているということです。ですから、嘘をついたことを責めるより、なぜ嘘をついたのか、お子さんの言葉に耳を傾けてあげることが大切です。そして、お子さんが嘘をつくような環境を作っていなかったか、親自身の言動を見直してみましょう。そのうえで、「嘘をつくことは、人を傷つけたり、自分の信用をなくしてしまうもの」ということを、しっかりと教えることが重要です。嘘を放置しておくと、嘘をつくことが平気になり、嘘を隠すため、さらに嘘を重ねるという悪循環を招いてしまいます。


あなたが忙しく働き、一生懸命に家族を支えている姿は、お子さんの目にも、はっきり映っているはずです。「疲れて怒りっぽくなっている」、「最近イライラしている」と感じたら、積極的に気分転換を心がけてください。日頃の自分のがんばりも、十分に認めてあげてくださいね。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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