Question

3歳の息子が友だちに手を出すように

おとなしい性格だった3歳の息子が、最近になって、一緒に遊んでいる友だちの腕を引っかいたり、1歳の妹をつねったり、手を出すようになり困っています。その場その場で注意をしているのですが、反抗されるばかりで、なかなか改善しません。私の育て方が悪いのではないかと考えてしまい、落ち込んで悲しくなります。

女性/30代

2021/12/21

Answer

子どもの発達はめまぐるしく、成長を感じさせる大人びた行動に感動することもあれば、危険な行動で胸を痛めることもあります。しかし、今回のように、突然「人を攻撃する行動」をとられると、思わず「自分の育て方が悪かったのでは」と、自責の念にさいなまれ、悲しくなってしまうというあなたの気持ちは、とてもよくわかります。まずは、息子さんのとった行動について、考えてみましょう。


子どもの自我が発達してくると、「あれがしたい」、「これが欲しい」というように、さまざまな欲望が芽生えてきます。対人関係のほうにも変化が表れ、友だちとかかわりたいという気持ちも強くなります。


しかしまだ、自分が思っていることを言葉でうまく伝えられないため、その代わりに、「引っかく」、「つねる」などの衝動的な行動をとることで、気持ちを伝えようとすることがあります。つまり、一見危ないと思われるような行動の裏には、「一緒に遊んでほしい」、「おもちゃを貸してほしい」といった欲望が隠れている可能性があるのです。まず、そのことを理解することが大切です。


つい、危険な行動のほうにばかり目が向き、止めさせることを優先してしまいがちですが、行動そのものを叱る前に、まずは息子さんの気持ちを受け止め、「○○ちゃんと一緒に遊びたかったのかな?」というように、あなたの言葉で代弁してあげましょう。そして、次に「そういうときは、こういうふうに言ってみようね」と伝え方を一緒に考え、実際に言葉にして練習してみましょう。いちばん信頼している母親のあなたに、自分の気持ちをわかってもらえたことで、息子さんも落ち着きを取り戻すことができるはずです。


また、自分に弟や妹ができると、今まで自分だけのものだった母親を、妹に奪われたと考え、やきもちや嫉妬のような感情が生まれてきます。そこで、「小さい子どもになれば、お母さんはまたかまってくれる」と考え、一時的に赤ちゃんのような状態に戻る「赤ちゃん返り」という行動を起こすこともあります。息子さんも同じような気持ちで、お母さんの注意を引きたかったという可能性もあります。今後は、この点を理解したうえで、息子さんに接してあげてください。


理解不能の行動を一度とられると、「このままずっと治らないのでは」と不安になるかもしれません。しかし、子どもの成長過程において、そうした行動は自然なものであり、やがては消えていくものです。それを支えに、息子さんに根気強くかかわっていくよう、心がけてください。そして、ときには、子育てから離れ、気分転換をするなど、育児に懸命に向き合っている自分自身を、労ってあげてくださいね。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

関連するキーワード

子どもの悩み
子ども同士のトラブル
本サービスに掲載される情報は、医師および医療専門職等の監修の元、制作しております。監修者一覧および元となる情報はこちらからご参照ください。
みんなの家庭の医学 アプリイメージ
アプリでも

みんなの家庭の医学

歩数ゲームやデイリーアドバイス、無料健康相談が利用可能

QRコード

※ご所属先が本サービスを契約いただいている場合のみご利用いただけます。