母の死後に父の酒量が増え、情緒不安定に
母が他界したことを機に、父の酒量が増えていることが気になっています。もともと、お酒はたしなむ程度でしたが、母の死を紛らわそうと、無理して飲んでいるような気がします。酔いが回ると泣いたり、怒ったりと情緒も不安定で、何かトラブルを起こさないか心配です。アルコールに頼る生活から、何とか脱して欲しいのですが。
男性/50代
2021/12/21
お父様の酒量の増加はお母様の他界がきっかけになっているようなのですね。確かに、配偶者の死はライフイベント(人生での出来事)のなかでもっともストレスフルなものといわれていて、高齢者の中には、このようなライフイベントをきっかけにアルコール依存症になる方もいます。現在のような飲酒状況は、どのくらいの期間続いているのでしょうか。
もうひとつ気になるのはお父様の生活状況です。高齢者は加齢による身体機能や認知機能の低下があり、一人暮らしになったときに自力で日々の生活を営むことが難しくなることが知られています。なかでもこれまで家事をほとんどやったことがない高齢の男性の方では、妻に先立たれた後に日常生活がままならなくなることが少なくありません。
人生最大の危機といってよいほどの問題を抱えているのにもかかわらず、ふだん、お父様が愚痴や文句、泣き言を言わないでいるならば、周りに迷惑をかけないようにしたいと思っているのかもしれませんね。
今いちばん大事なことは、お父様が置かれている状況に思いをめぐらせ、辛さに共感し、十分に労うことだと考えます。もし、お父様が心を閉ざしていたとしても、焦らず諦めず、気持ちに寄り添い、労い続けてください。そして、何か困っていることがないか尋ねてみてください。どんなときでも自分の気持ちに寄り添い、力になろうとしてくれる息子がいるという気づきは、お父様が今後アルコールに頼らずに生きていくための大きな力になることと思います。
さて、ここからはお父様を十分に労ったうえでの話ですのでご注意ください。
お酒の飲みすぎはさまざまな健康障害を引き起こしますが、とくに若年者と比べて高齢者は少量でも飲酒の影響が出やすいといわれています。
お父様が素面のときに、これからも元気でいてもらいたいからお酒を控えてほしいと頼んでみましょう。肝心なのは、大切に思っているからこその頼みであることがお父様に伝わることです。それで、お酒を飲まない期間が少しでも続けばひとまず成功ととらえて、お父様を労ってください。
しかし、お父様が少しの期間も飲酒をやめることができないようであれば、すでに飲酒のコントロールができない状態になっている可能性があるため、アルコールの問題を診てくださる専門の医療機関に受診されることをおすすめします。専門の医療機関については、保健所や精神保健福祉センターが情報をもっているはずです。お父様が受診を希望されない場合は、ご相談者様が地域の保健所や精神保健福祉センターのアルコール健康障害相談等に行くことが役立つでしょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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