Question

うつ病になりやすい性格はある?

母は心配性で、少しのことでも気にしてしまう性格です。別段気にはしていなかったのですが、周りでうつ病にかかった人の話を聞き、心配になってしまいました。うつ病にかかりやすい性格や環境などはあるのでしょうか。気をつけるポイントなどがあれば教えてください。

男性/20代

2021/12/21

Answer

身近な方がうつ病を患ったことを聞き、心配性のお母様は大丈夫だろうかと心配になられたとのこと。


うつ病の要因には、さまざまな説がありますが、そのなかのひとつに、「病前性格」といわれる、うつ病になりやすい性格傾向があげられています。具体的には、真面目・責任感が強い・頑張り屋・正義感が強い、などがあります。また対人関係の傾向として、頼まれると断れなかったり、周囲への気配りができ、嫌なことがあってもあまり周囲に打ち明けたりはせず、我慢してしまうこともあります。


もちろんこれらの傾向があるからといって、必ずしもうつ病になるというわけではありませんが、例えば、あなたのお母様の場合ですと、いろいろなことに気遣ったり、悪い方向に心配したりすることで、あれこれと事前の対処に奔走したり、気に病んだりすることが多く、心身の負担が大きくなってしまいやすいということが考えられます。


もうひとつ、要因とされているものに、環境要因があります。私たちは、自身が思っているよりも「変化」に弱い生き物です。例えば、病気、ご家族や友人などの身近な人の死、離婚などの悲しいできごとだけでなく、結婚や出産、定年退職などの喜ばしいと考えられるできごとも、うつ病を引き起こすきっかけとなることがあります。


あなたの年齢から察しますと、お母様は50代前後でしょうか。その年代の女性の場合、家庭環境の変化として、子育てが一段落して、時間に余裕ができる一方で、ご両親が高齢になり、介護などの心配が出てきます。また自身の体調の面でも、ホルモンバランスの変化や加齢による体調不良などが生じやすいといったことがあげられます。


気をつけるポイントですが、残念ながら性格そのものを変えたり、環境をコントロールすることはむずかしいですよね。ですので、これまでの経験を土台に「柔軟性」を大事にすることを心がけてみるのはいかがでしょうか。お母様はこれまでの経験から、心配していたことが取り越し苦労に終わったことも多いことを、どこかで理解されていると思います。これまで通りのやり方にこだわりすぎずに、臨機応変に考えるようにしたり、「疲れたな」というときは、優先順位を考え、手を抜けることは抜いていくことを大切にすることで、「ちょうどいい」心配性を目指しましょう。


なかなか考え方を切り替えるのがむずかしいと感じたときには、ご自分の気持ちをお母様自身で整理することも有効です。具体的に何がどう不安なのか、きちんと整理して考えてみるのもひとつです。例えば「このまま年を取って身体が動かなくなっていくと心配だ」「老後の資金が足りない」「お父さんがずっと家にいるようになると面倒だ」など、いろいろ思いつくかもしれません。では、それは現実的にはどれほど心配なことなのでしょうか。できる準備としてはどのようなことがあるでしょうか。一度話し合ってみるのもよいでしょう。可能な限り準備をしていることが確認できれば、お母様も「何とかなる」「今すぐにすべてを解決できるわけではない」という気持ちを持ちやすくなります。


最後に、孤独はうつを引き寄せます。あなたがいつも通りお母様と接し、時々はお話をゆっくり聴いてあげるのが、何よりのうつ病予防になると思います。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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