退職すべきか迷っている

30代になると、任される仕事も求められるものも徐々に変化していきます。大きな目標を設定されたとのことですが、それはこれまでの仕事が評価され、期待されているからでしょう。その期待に応えていきたいと、奮闘してきたあなたの様子も伝わってきます。

今は、体力的・精神的な負担から、退職も視野に入れているとのこと。病気になる前に身を守ることは大切です。疲れ切った自分にムチを打つのではなく、一度立ち止まって、自分の進退についてじっくり考えようとしたことは、とてもよいことです。

「どうするべきか」を考える前に、まずは現状や今の気持ちを整理してみましょう。現段階では、退職した後、別の会社への就職を考えているのですね。少し厳しい質問かもしれませんが、次の仕事が決まったとして、新しい仕事へのモチベーションはどのくらい持てますか。もし転職が決まったとして、新しい環境になじみ、そこで実力を発揮するようになるには、相当のモチベーションとエネルギーが必要です。体力的・精神的にギリギリのところまできている状態では、かなり厳しい現実といえます。

また、社会人になってからこれまでの間、真面目に一生懸命取り組んできたあなたが、「病気になる前に退職」という消極的ともいえる選択をしたことを、後になってあなたはどのように考えるでしょうか。もし新しい職場で、今回と同じように体力的・精神的にきつくなったら、そのときにどのような対処をするのでしょうか。

今やるべきことは、今の会社で一度きちんと白旗をあげることだと思います。仕事の取り組み方や進捗について、上司や先輩、同僚とはどのように相談をしているのでしょうか。まずは心身の負担が仕事にも影響している現状をきちんと上司に報告し、今後の仕事の進め方や業務負担の軽減について指示を仰いでください。そして、今の仕事が一段落したその時に、転職するのか今の職場でがんばるのか、じっくり考えてみてはいかがでしょうか。

例えば、今後どのようなキャリアを積んでいきたいのか、そのためにどのような能力が必要とされるのか、具体的にどのような自分になったら新しい環境で活躍できそうなのかなど、検討することはたくさんあります。キャリアカウンセリング（心理相談機関で対応しているところもありますし、民間の転職支援会社等に登録すると受けられることも多いです）を活用するのもよいでしょう。

30代という、職場の中心となって仕事を動かしていく時期を迎えたあなたは、これからさまざまな経験を重ね、多くのチャレンジをしていくことでしょう。今回はその最初の分岐点だと思います。これまでは若さと持ち前のがんばりで乗り切ってきたことも多かったかもしれません。しかしこれからは、人に頼る・任せるといった“分担”や、優先順位や緩急をつける“調整”などの工夫をしながら、自分一人だけでがんばらない仕事の進め方が求められる段階にきたのではないでしょうか。

最後になりましたが、もし「眠れない、食欲がない、倦怠感や憂うつな気分が続いている」など、すでにつらい症状が出ている場合は、医療機関へ相談して、まずは体調改善を優先してください。