Question

少しでも汚いものに触ると落ち着かない

私は少しでも汚いと感じる物に触ると、1日に何度でも手を洗ってしまいます。家の床やドアノブにすら触れません。触ったとしても手を洗わない限り、他の物に触れないです。手を洗ったあとの、タオルにすら触れません。一度でも汚いと感じると、そこに少し触れただけでも汚れたように感じて、落ち着きません。こころの病気なのでしょうか。

女性/20代

2021/12/21

Answer

手を洗うことは風邪予防など衛生面で考えると大事なことなのですが、度がすぎてしまうとさまざまな影響が出て困ることがあります。あなたの場合は、何かに手が触れただけで気持ちが落ち着かなくなってしまうのですから、こころの病気なのではと心配されるのも無理もありません。


あなたはこれまで、何かに触ったら手を洗わずにいられなくて悩んできたことでしょう。自分ではやりすぎとわかっていてもなかなか止めることができず、家族や友人からも指摘されて困ることが何度もあったのではありませんか。「物に触れる」ということは、あなたにとって、とてもエネルギーのいることなのでしょう。きっと不潔なもの、汚いもの、気持ち悪いものへの嫌悪感だけでは説明のつかない、周囲とのかかわりの中での緊張を強いられているのでしょう。やらなくていいとわかっていることを何度もしている自分が情けなくて、つらい気持ちにもなりますよね。少しでも気持ちが楽になる方法を考えてみましょう。


はじめに、あなた自身が手を繰り返し洗うことで、どのくらい日常生活に影響が出ているのかをチェックすることから始めましょう。例えば調理をしている時ならば、家の床やドアノブに触れただけでも手を洗うことは必要です。汚いものに触りたくないと感じることは自然な反応であり、仕事や家事が滞りなくできているのであれば、「汚いと思ってもいいのだ」と、あまり考えすぎないように気持ちを切り替えることも必要です。


続いて自分の心を振り返って見ましょう。「いつでも清潔じゃなきゃいけない」という強い思い込みはありませんか? あなたの周りにいる人々の行動を見て、汚いと感じる許容範囲の違いを比べてみましょう。意外と今よりも許容範囲を広げても大丈夫そうなことがわかれば、安心感が出て手を洗う回数を減らすことができるかもしれません。つまり、あなたが汚いと感じるものであってもほかの人が平気そうなら、「私は汚く感じるが、ほかの人には許容できる範囲なんだ」と別の見方をすることで、不安な気持ちが軽くなるかもしれません。


そしてほかの人を見習って試してもうまくいかない時は、汚いと感じること以外に何か悩みごとや心配なことはないか、振り返ってみるとよいでしょう。もしかしたら、あなたが気付いていない悩み事が「手を洗う」と言う形で表れている可能性もあります。


手を洗うことに日常生活の大半の時間を費やし、仕事に行けなくなったり外出もむずかしい状況、つまり日常生活を送るのに相当な不便さを感じているのであれば、困っている状況を改善するために、専門的な治療が必要となります。治療では、薬の服用や心理療法により、不安な気持ちをやわらげていきます。心療内科やメンタルクリニックなどの専門の医療機関では、薬物療法のほかに、カウンセリングを受けながら症状を軽くする方法もある場合がありますので、一度受診し相談してみるとよいでしょう。一人で悩まず周囲のサポートを受けることを忘れないでくださいね。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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