Question

疑り深い性格を治したい

人の言うことをなかなか信じられず、すぐに疑ってしまいます。ほめられても「心の底ではバカにしているのではないか」と思ってしまったり、アドバイスをされても「本当は自分に間違ったことを教えて、足を引っ張ろうとしているのではないか」と考えてしまい、素直に聞くことができません。疑り深い性格を直すにはどうしたらよいのでしょうか。

女性/40代

2021/12/21

Answer

人を疑うことも、人に疑われることも、誰にでもあることだと思いますが、度がすぎると疑われるほうは参ってしまいますし、疑うほうもエネルギーを消耗します。疑念にとらわれている間はやるべきことに手がつかないでしょうし、落ち着いてからも、疑った自分に嫌気がさして自己嫌悪に陥ることでしょう。こうしてみると、「疑う」ということはずいぶん損なことですね。たぶん、これまでも友人などから「もっと前向きに」などというアドバイスを受けてきているのではないでしょうか。


でも、わかっていても、いったん疑い出すとなかなか止まらないものです。この疑り深さはどこから来るのでしょうか。たしかに生来の気質や性格も関係しているかもしれませんが、もしかして、以前に交際をしていた男性や親友に裏切られたとか、子ども時代にずっと親から否定されていたなどといった経験はないでしょうか。過去にそういった経験があると、たとえ相手が誠実な人でも、何かあるたびに「まただまされるのではないか」「自分みたいな価値のない人間が認められるわけがない」といった心のつぶやきが出てきます。これが疑り深さのしくみです。


では、疑り深い性格は直せるのでしょうか。実は「性格」を直そうとするのは大変です。でも、疑うという「思い」や「行為」なら、少しずつ減らしたり、修正していくことが可能です。方法はいろいろですが、例えば長い時間軸で相手との関係をみてみるというのもひとつの手です。相手のほめ言葉や助言に、つい「でも本当は・・・」などと勘ぐってしまうまではよしとしましょう。しかし、ここで視野を広げて「そういえば前にもこの人は同じような肯定的な言葉をかけてくれたな。そのときも疑ってしまったけど、そのあと悪いことは起きていないし、今もこの人は私の友だちだ」と、長いスパンで相手のことを捉えてみます。そうすると、「少なくともばかにはされていない、もしかすると尊重されていたのかも」と思えるシーンが過去にひとつ二つ見つかるかもしれません。こうしていくと「相手の言葉が常にうそとは限らない、自分が尊重されているときもあるのかも」と、かすかな自己肯定気分が薄く積もっていきます。地道な取り組みにはなりますが、少し視野を広げて、埋もれているポジティブさを丹念に拾っていくのがコツです。


最後にもうひとつお話すると、疑り深い人はたいてい自分に自信がなかったりします。ですから、趣味でも仕事でもひとつのことに徹底的に集中してみるのもおすすめです。ひとつの分野で自信をつけ、周りから認められると、誰かを疑う必要がだんだん減ってくると思います。まずは、できそうなところから取り組んでみませんか。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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