Question

ペットの死。どう受け止めたらよい?

長年一緒だったペットが亡くなってしまい、数カ月が経ちます。前向きにならなくてはと思うのですが、ペットのおもちゃなどをみると、涙ぐんでしまいます。思い出すとつらくて涙が止まらなくなってしまうときもあります。時間が解決してくれるものなのでしょうか。

女性/40代

2021/12/21

Answer

長年ともに過ごしたペットは、家族同様もしくは家族以上の存在です。かけがえのない存在と今生のお別れをしたのですから、悲しみは言葉に尽くせないものがおありでしょう。その悲しみは薄れなくとも、日々の生活があるので泣いてばかりいられないと思っているにもかかわらず、何かのきっかけに自然と涙が流れてしまうのは致し方ないように思います。それだけペットの存在が大きかったからこそのことですから、今は無理に忘れようとしたり、元気な素振りを見せようとしなくてもよいのではないでしょうか。


なぜならペットの死によって、ペットから得られていたものや感じているものを、その存在と同様に失ってしまった寂しさなどがあるからです。一緒に過ごした時間の楽しさや温かさ、時には心慰める癒しの存在でもあったものが「死」によって失われることは、大きな喪失感であり、寂しさや後悔などさまざまな感情が湧きあがります。こころの中ではこのようなことが起こっているわけですから、亡きペットを思って泣くことをいけないことと思わずに、自然なことと受けとめてください。


さて、「時間が解決してくれるのか」というご質問ですが、ペットを失うことでその存在の大きさをあらためて知ることになるわけですから、「死」を受け入れてペットのいない生活に慣れるまでには相応の時間がかかるものと思われます。しかし泣くことは、悲しみを受け入れて記憶とともに生きることへ向けた、こころの回復に必要なプロセスです。あなたのペースで過ごしてください。


人間は社会的な生き物ですから、喜怒哀楽の感情をコントロールしながら社会生活を送っています。とはいえ、大事な存在との死別という悲しい出来事をなかったことのようにして気持ちに蓋をして過ごしているとするならば、あなたのこころにとって大きな負担ではないかと心配です。しばらくは寂しく悲しい気持ちと寄り添いながら、ペットの死を現実のものとして受け入れることを念頭に過ごしましょう。

そして、その時々に沸き起こる気持ちを押し込めずに、家族に話したり、日記に書くなどして素直に表現しましょう。無理せずに少しずつペットのいない環境や日常生活に慣れていけばよいのです。このような営みの繰り返しの先に、失ったペットとの日々をよき思い出として過ごせる日が来ることでしょう。姿かたちは存在しなくても、思い出としてあなたの中で生き続けていることを忘れないでくださいね。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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