Question

部下のメンタルヘルス対策について

会社から部下のメンタルヘルス対策について心がけるように言われているのですが、具体的に何をすればよいのでしょうか。現在の部署は業務量も多く、私自身も忙しいため、部下の様子を逐一見ていることはできません。限りある時間のなかで、できることはあるのでしょうか。

男性/40代

2021/12/21

Answer

職場のメンタルヘルス対策の必要性が求められるようになってから、ずいぶんと月日が経ちましたが、対策やメンタル不調者への理解がまだ十分に浸透していない会社もあるのではないでしょうか。また、管理職研修の中にメンタルヘルス研修を取り入れている会社も多いようですが、知識と実務がうまく連動せず、頭を悩ませている管理職も多いような印象があります。あなたも管理職という立場でありながら、膨大な仕事量に追われる日々の中で、どのようにメンタルヘルス対策をしたらよいのか、悩まれているようですね。


“メンタルヘルス対策”と聞くと、何か特別なことをしなければいけないと考えて、いささか気おくれしてしまいますが、まずはもっとシンプルに考えてみましょう。職場内でメンタルヘルスを保つためには、やはり仕事をしやすい環境を整えることが大切です。具体例をあげますと、例えば責任のある膨大な量の仕事をしているのに、裁量権や周囲の協力もなしに取り組んでいるのであれば、それには無理が生じるため、その状況が続くことで心身疲労は蓄積されていくことでしょう。理想の姿は、個人に適した業務内容と量の割り当てがされていること、チームワークのとれた“風通しのよい職場”が望ましいでしょう。


と申しましても、現実の次々に仕事が舞い込むような職場では、そうも言ってはいられませんよね。現状を踏まえたうえで考えますと、大切なことは“いかに不調に早く気がつくか”という点です。不調に早く気づくことができれば、早期に対応することができ、部下のメンタルヘルスを守ることにつながります。色々なケースを想定してさまざまな対策を立てることも大切ですが、不調のサインに早く気づき、サポートすることもメンタルヘルス対策のひとつであることをこころに留めておいてください。


ご相談にもありましたが、忙しい最中に部下の様子を逐一観察できないということは、当然おこりうることでしょう。可能であれば1日のうち一定時間を、意識的に部下とコミュニケーションをとったり様子を見る時間に当ててはいかがでしょうか。メンタル不調のサインは、ふだんとは違う“異変”となってあらわれます。異変をキャッチするためには、日頃の観察やコミュニケーションを大切にして、部下の平常な様子を把握しておくことです。今日からできるコミュニケーションとして、朝に顔を合わせたら部下の顔を見て「おはよう」の声かけから始めましょう。


続いて観察のポイントですが、部下の顔色や声のトーンだけでなく、髪や服装の乱れなどにも注意が払えるとよいでしょう。また、仕事上のミスが目立つようになった、残業をすることが多くなったにも関わらず仕事がはかどらない、言葉が少なくなり一人で仕事をするようになったなど、仕事の進め方にもサインはあらわれます。不調のサインに気づいた際は、個別面談の時間を設けるなどして、本人の困っていることを尋ねて必要な支援につなげることが大切です。など、体調不良がひどい場合には、産業医や専門医の受診もすすめてください。


部下にとっては、健康を気遣ってくれる上司の存在そのものが支えなります。できるところから少しずつ職場のメンタルヘルスに取り組んでみられてはいかがでしょうか。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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