Question

場の空気を読めない後輩の指導

空気が読めない後輩に困っています。相手の気持ちを推し量ることが苦手のようで、会議中の発言や上司とのミーティングで、しばしばその場にふさわしくない言い方をしたり、関係のない話をしてしまったりします。ときには客先で相手の立場を考えない発言をして、クライアントを怒らせてしまうこともあります。その都度注意をし、本人もその場では理解したようですが、また同じことの繰り返しです。性格と言うには少々限度を超えているようにも思えるのですが、先輩としてどう対処していけばよいのでしょうか。

男性/30代

2021/12/21

Answer

日々のお忙しい業務の中で、後輩の指導もしながらご自身の職責を果たしていくのは大変なことですよね。真摯に仕事に取り組んでいらっしゃるあなたの姿が、目に浮かぶようです。いろいろなタイプの後輩を指導していかねばならないわけですから、指導法も一筋縄ではいきませんよね。


後輩は、場の雰囲気を察したり、人の気持ちを推し量ったりすることが、苦手なように思われるのですね。また、あなたにとっては、何度注意をしても同じ過ちを繰り返しているように見えるとのこと。まず、後輩の立場になって、原因となる可能性をいろいろと考えてみましょう。例えば、「同じような会議、接客場面であっても、その仕事に不慣れな後輩にとっては毎回が新しい状況との遭遇である」「今、目の前で起きている事態に、これまでの経験を生かしていくことがまだむずかしい」「失敗が続いていて、自信を失くしている」「今度こそ上手くやろうという気負いが過度な不安や緊張を生み、自分の実力を発揮する事がむずかしくなっている」などです。個人差はあると思いますが、相手に対してまったく違う見方をし、相手の言動に共感できる部分を見つけることができたら、あなたの心にも少し余裕ができるのではないでしょうか。ご本人の気持ちを受け止め、自信を回復してあげるだけでも、パフォーマンスの質をぐんとあげることができるものです。


指導法については、察したり、推し量ったりしなくてはならない余地を極力減らすような、より具体的な言葉でメッセージを伝えるようにしてはいかがでしょうか。例えば、「なるべく早く提出して」という曖昧な言い方を避け、「○日の○時までに」などと指示を出すようにします。会議中や接客時に不適切な対応をしてしまうことに対しては、そのような場面では、あらかじめ用意した内容以外発言しないとか、想定問答を利用し、それ以外の発言は先輩に許可を得てから行うなど、具体的な行動の決まりごとを作っておくとよいでしょう。これらは、口頭ではなく、紙に書いて事前に共有しておくことで、後からの振り返りにも役立てることができます。


そうやって、一つひとつの経験を重ねて、行動のレパートリーが徐々に増えていったら、少しずつご本人の裁量を広げていってあげましょう。ご本人にプラスの変化が見られたら、それを認めながらアドバイスすることで、あなたとの信頼関係もいっそう強まるはずです。

また、後輩の指導にあたり、一人だけで対応していくのはとても負担が大きいように思われます。適宜、上司と情報共有はしていますか。また、カウンセラーや精神科医など心の専門家が職場にいる場合には、より細かな点でアドバイスが得られると思いますので、相談してみるのもよいでしょう。場合によっては、後輩の長所がより発揮できるような部署へ配置換えをするといった対応も、会社、ご本人の双方にとってよい結果につながることがあります。いずれにしても、あなたが一人で悩むのではなく、社員の人材育成という観点からも、職場の方々の協力を得ながら対応を考えてはいかがでしょうか。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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