遺伝子検査法
最終編集日:2022/7/29
生物の特徴を親から子へ引き継ぐことを一般的には遺伝といいますが、その遺伝情報はDNA(細胞の核の中にあるデオキシリボ核酸という物質)に書かれていて、遺伝情報の一つひとつの基本単位を遺伝子と呼んでいます。人間の遺伝子は2万~3万種類以上あることが現在、わかっています。医学的に「遺伝」という場合は、一般的に「遺伝する」と使われる意味合いよりも広範な意味で使われます。
遺伝子を解析して病気の診断や治療、予防などにつなげるための検査を遺伝子検査といい、さまざまな種類があります。遺伝子は病原体にも存在するものなので、それらを調べる遺伝子検査もあります。
検査でわかること
・感染症をひき起こす病原体の遺伝子検査
細菌やウイルスなどの病原体の遺伝子を検出・解析する検査です。感染症の疑いがある人の血液や体液などを採取して検査し、感染症の診断をします。ヒト免疫不全ウイルス、マイコプラズマ、B型・C型肝炎ウイルス、SARSコロナウイルス、新型コロナウイルスなどの感染症の診断ができます。
がんは遺伝子の変異によって起こりますが、がんにもそれぞれ個性があり、適切な治療のためには、正確にそのがんの遺伝子情報を知ることが重要です。そのうえで、それぞれのがんに適した薬を選ぶことで治療の効果を上げることができます。ただし、現状ではすべてのがんが遺伝子検査の対象ではなく、肺がんや大腸がん、乳がんなどの一部のがんや白血病で、医師が必要と判断したときに行われています。
発症した遺伝性疾患や家族性腫瘍の診断を確定するために遺伝子検査を行います。また、発症前に将来発症するリスクがあるかを判定するために実施されることもあります。
監修
寺下医学事務所 医学博士
寺下謙三
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