B型肝炎ウイルス検査(HBs抗原・抗体)

最終編集日:2022/7/29

肝臓はその半分を失っても命に影響がない、予備力がある丈夫な臓器です。しかし、肝炎ウイルスに感染すると徐々に肝臓の機能が失われ、やがて肝硬変や肝臓がんなどに進行します。おもな肝炎ウイルスにはA・B・C・D・E型の5種類があり、日本人に圧倒的に多くみられるのが、B型肝炎とC型肝炎です。
B型肝炎ウイルス(HBV)は、ウイルスが含まれる感染者の血液や体液がほかの人のからだに入り込むことで起こります。母子感染や輸血、注射器の使い回しによる感染は、現在ほとんどなくなり、近年では感染者との性交渉による感染が増えています。


検査でわかること

B型肝炎ウイルスに感染すると、ウイルスの外殻を構成するHBs抗原というたんぱく質がつくられ、血液中に現れます。また、ウイルスを退治する抵抗力となるHBs抗体もつくられます。採取した血液中にHBs抗原とHBs抗体の存在を調べることで確認します。
B型肝炎の場合、血液中にウイルスの産生物であるたんぱく質(HBs抗原)が多量に存在する特徴があるため、おもにHBs抗原検査の結果で、感染の有無を判断します。


基準値

HBs抗原・抗体
いずれも陰性(―)
(日本予防医学協会)


HBs抗原が陽性(+)

現在、感染している


HBs抗体が陽性(+)

次のいずれかに該当する
・過去にB型肝炎に感染して治癒した
・B型肝炎の予防接種を受けた

監修

寺下医学事務所 医学博士

寺下謙三

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