絨毛検査

最終編集日:2022/7/29

絨毛(じゅうもう)検査は、胎盤の一部を直接採取し、染色体の数と構造の異常を調べます。基本的にこの検査を単独で行うことはなく、超音波検査で胎児に明らかな異常が見つかった場合や、NIPT(新型出生前診断)で陽性になった場合の確定診断のために用いられます。
羊水染色体検査が妊娠15週から行われるのに対して、絨毛検査は妊娠11週以降に行われます。
絨毛検査における21トリソミー(ダウン症候群)の検査精度は、ほぼ100%です。そのため、ダウン症候群の可能性を早い時期に確実に確認できるというメリットがあります。
検査は、おなかの上から超音波下で胎盤に針を刺して採取する経腹法(けいふくほう)と、腟から絨毛生検鉗子を挿入して採取する経腟法(けいちつほう)があります。流産の確率は1%程度で、羊水染色体検査の0.3~0.5%よりも高くなっています。検査結果が出るまで2~3週間かかります。
また、1~2%の確率で胎盤限局モザイクという、染色体異常・正常が混在した結果が出る場合があります。絨毛検査は厳密には胎児の細胞ではなく、胎盤の細胞を検査しているため、異常な細胞が含まれるのが胎盤に限られたものなのか、胎児にも及んでいるのかを改めて検査する必要があります。その確定診断のために、妊娠15週以降に羊水染色体検査を行うことがあります。絨毛検査も羊水染色体検査と同様で、すべての異常を検出できるわけではなく、侵襲的な検査のため両親のどちらかに染色体異常や遺伝子疾患がある、高齢妊娠である、流産をくり返している、胎児に異常がある可能性が高い、などがある場合に行われています。
検査費用は全額自己負担で、医療機関によって異なりますが10~20万円です。

監修

JR東京総合病院産婦人科 医長

松浦宏美

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