検査計測
最終編集日:2022/7/29
体重
体重の測定を毎回行うのは、前回の体重と比較することで、体調の変化をいち早く見つけるとともに、きちんと体重を管理することが目的です。急激な体重の増加は、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などの発症リスクを高めます。反対に急激な体重の減少がみられるときは、胎児の発達に異常がある可能性も考えられます。
妊娠中の体重増加の目安としては、やせ気味の人(BMI 18.5未満)は9~12kg、標準体重の人(BMI 18.5以上25.0未満)は7~12kg、肥満気味の人(BMI 25.0以上)は個別対応となります。
【BMI計算式】BMI = 体重㎏ ÷(身長m × 身長m)
血圧測定
妊娠20週~産後12週の期間に血圧が上がった状態を妊娠高血圧症候群といいます。収縮期血圧(上の血圧)140mmHg以上、拡張期血圧(下の血圧)90mmHg以上が高血圧ですから、基準値内であるかどうかをチェックします。
以前は妊娠中毒症と呼ばれていた妊娠高血圧症候群は、重症化すると妊婦と胎児の命にかかわる病気です。少しでも早くその徴候を見つけるためにも、血圧の管理は欠かせません。
子宮底長・腹囲
子宮底長は、診察台に仰向けに寝て足を伸ばした状態で、恥骨の中央から子宮のいちばん上の部分までの直線距離のことです。
腹囲は、子宮底長の計測と同じく診察台に仰向けに寝て足を伸ばした状態で、へその位置で腹まわりを測ります。
子宮底長と腹囲の測定は、胎児が順調に育っているか、また羊水の量に異常はないかなどを確認するためものです。近年の妊婦健診では超音波検査での確認が優先されているため、子宮底長と腹囲はあくまでも目安となっています。
浮腫
足のすねや甲を指で押して、すぐに戻るかどうかをチェックします。おなかが大きくなってくると子宮が圧迫されて血液循環が悪くなることから、妊婦のからだはむくみやすくなります。
足のふくらはぎや甲の軽いむくみであれば、さほど心配ありませんが、むくみが一日中つづき、さらに顔や腕がむくんだり、体重が1週間に500g以上増加したりするなどの症状があるときは、妊娠高血圧症候群の初期症状が疑われます。
監修
寺下医学事務所医学博士
寺下謙三
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