薬の飲みにくさを感じたら 〜高齢者の見守り方

最終編集日:2024/2/1

「以前は難なく飲んでいた錠剤が、最近は飲み込みにくい」と感じる人が、50代以上になると増えてきます。そのようなときはどうしたらよいのか、ご紹介します。


●うまく飲み込めず、錠剤がのどや食道にとどまるトラブルも

食べ物や飲み物をうまく飲み込めなくなることを「嚥下(えんげ)障害」といいます。原因はさまざまありますが、加齢によってのどの筋力が低下して起こることも多く、誰にでも起こりうることです。

嚥下障害があると、錠剤を飲み込むのもひと苦労となりがちです。これを「錠剤嚥下障害」といいます。錠剤嚥下障害になると、ようやく飲み込んだ錠剤がスムーズに胃に到達せず、口やのど、食道にとどまりやすくなります。こうなると薬の効果を得られないばかりか、とどまった場所の粘膜が損傷したり、潰瘍ができたりするリスクが生じます。


●飲みにくいからと錠剤を砕くのは危険

錠剤嚥下障害を回避するため、錠剤を砕いて小さくして飲み込んでいる人もいるようです。しかし、これは薬の効きを悪くしたり、逆に効きすぎをもたらしたりする可能性があります。特に、徐放性製剤といって、1日に1~2回の服薬で長時間効果が持続されるように設計された薬の場合は、少しずつ成分が溶け出すようになっているので、砕いて飲んではいけない薬です。砕くと短時間で成分が溶け出してしまい、副作用や苦痛などが生じる可能性があって危険なのです。

錠剤が飲みにくくて困るようであれば、自己判断で対処せず、まず医師や薬剤師に相談しましょう。薬の種類によっては、小さな錠剤やほかの形状のものなど、代わりの薬に変更してもらうことも可能です。また、とろみ剤やゼリーなどを利用して飲む方法もあり、指導してくれるはずです。錠剤に限らず、カプセル剤、粉薬、顆粒などが飲みにくいときも相談してみましょう。


●高齢の家族が飲みにくそうだったら医師や薬剤師に相談を

高齢の方の場合は、家族が服薬の手助けをしている場合も多いことでしょう。薬を飲んでいるときは、急かしたり、あれこれ話しかけたりせず、ゆっくり見守りましょう。姿勢が悪く、背中が丸くなっていたりすると飲みにくくなるので、無理のない範囲でまっすぐにしてあげられるとよいでしょう。ただし、あごが上を向くと誤嚥する(肺に入る)ので注意してください。飲み終わったあとは、口の中やのど、食道に薬がとどまっている可能性を考慮して、違和感がないか聞いてみたり、しばらく様子を観察したりしましょう。飲みにくい様子があって大変そうなときは、迷わずに医師や薬剤師に相談してみてください。

監修

昭和大学薬学部 客員教授

倉田なおみ

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