暑い夜に足がつる…その原因の一つは脱水かも
最終編集日:2025/8/11
突然、激しい痛みがふくらはぎに走り動けなくなる…。「こむら返り」とも呼ばれる足のつりは、だれもが一度は経験する身近な症状です。暑い夏には起こりやすく、就寝中に起こると、突然の激しい痛みに飛び起きてしまうこともあります。
「つる」というのは、筋肉が誤って「強く縮もう」とけいれんしている状態です。ふくらはぎに最も多くみられますが、足だけではなくお尻、背中、手などに起きることもあります。
●足がつるしくみとは
足がつる原因の多くは、生理的なものなので、通常、あまり心配する必要はありません。健康な人でも、筋肉が疲労しているとき、脱水気味のとき、からだが冷えているときは足がつりやすくなります。運動中や運動の後、長時間歩いたり立ち仕事をした日などは、足の筋肉が疲労し、硬くなりやすいので要注意です。
また、高温多湿の夏は、足がつりやすいといわれています。汗をたくさんかくことで、カリウムやナトリウムなどの電解質のバランスが崩れて神経伝達に不調が起こり、その誤作動で筋肉が異常なけいれん(収縮)を起こすと考えられています。さらに、エアコンの冷風でからだが冷えると、筋肉が収縮し、血行が滞りやすくなることも、足がつる一因となり得ます。
●足がつったときの対処法
足がつってしまったときは、収縮している筋肉を伸ばすストレッチが有効です。長座の姿勢になって足のつま先を手で持ち、すねのほうに反り返すように引っ張ります。痛みがつらいときは、深呼吸をしながらからだの力を抜き、ゆっくりとふくらはぎを伸ばしましょう。痛みが和らいだら、ふくらはぎ、足の裏、土踏まずをマッサージし、血行を促します。
●脱水予防と血行促進を
足がつることを予防するためには水分補給と血行の促進が大切です。
「のどが渇いた」と感じるときは、すでに脱水が始まっているともいわれます。日中はコップ1杯程度(200ml)の水分を、1〜2時間おきにこまめにとりましょう。また、就寝中は汗をかきやすいので、コップ1杯の水を飲んでから寝るとよいでしょう。
血行促進のためには、就寝前に軽いストレッチやマッサージを取り入れることをおすすめします。特に足の筋肉を重点的に、アキレス腱伸ばしやひざの屈伸、足首回しなどを行います。
また、エアコンをつけて寝るときは、冷気が直接からだに当たらないように、かけ布団やタオルケットなどを使用しましょう。通気性のよいしめつけない素材の靴下、レッグウォーマーなどで足の冷えを予防するのもおすすめです。さらに、入浴によって血行を促すと、足がつることを防ぐのはもちろん、からだのコリや筋肉の緊張もやわらぎ、疲労回復や安眠にもつながります。
一方で、頻繁に足がつるという場合には、内臓の病気や服用している薬の影響で起こることもありますので、注意が必要です。くり返し起こるようなら、念の為、医療機関を受診すると安心でしょう。
監修
みんなの家庭の医学メディカルチーム