Question

強いストレスが続いている夫

夫はこの1年で強いストレスがかかる経験をいくつもしてきました。親族やペットの死、引っ越し、職場での配置換えやそれにともなう通勤先の変更、友人とのトラブルなどです。いまのところは大きく変わったところはないのですが、いろいろな体験が重なると後々影響が出てくることもあると聞いて心配です。どのようなことに気をつければよいでしょう?

女性/30代

2021/12/21

Answer

ストレス対処がうまい人でも、つらいことや環境の変化が何回も重なると、さすがにくたびれてしまったり、やる気が減退してしまったりすることがあります。ですから、ご主人が今は元気でも、家族が先んじて気をつけてくださるのであれば、それは適切な配慮であり、すばらしいことです。また、ご相談を受ける私たちの立場としても、あなたのように、予防的な気づかいまでしてくださる方がいらっしゃることを心強く思います。


では「どのようなことに気をつければよいか」について、考えてみましょう。ただ、その前に、あなたもご主人が受けてきたストレスとほぼ同じものを、一緒に経験してしまっていませんか。もしそうなら、あなたのことも心配です。現状はご主人に問題がないのですから、あまり気負わずに、ご主人の様子を「見守る」くらいの心がまえでよいかと思います。その分、ご自身のこころと体にも多少なりとも気づかいのエネルギーを向けていただけたら幸いです。


さて、ではその見守りですが、調子を崩すときには、たいていサイン(兆候)があるものです。大きなところでは、十分には眠れなくなったり、食欲が落ちたり、といったことがありますが、家族であれば、もう少し小さな変化でもキャッチできることでしょう。例えば、ご主人が、落ち着けるはずの暇な時間に、はーっと深いため息をついたり、今まで必ず見ていたテレビ番組を見逃したり、あるいは見ていても楽しそうではなかったり、といったことが挙げられます。集中力の欠ける言動や、ぼーっとしていることが以前より増えた、聞きなれない発言があるといった場合も、サインである可能性があります。聞きなれない発言というのは、例えば、ひとりごとをつぶやいたり、将来のことや家計、育児の状況をぼそっと聞いてきたりするようなことです。ご主人が質問する気持ちの根っこには、もし自分が倒れたら、といった不安があるのですが、不安を正直に表現できず、質問など別の表現になって表れることがあります。


いかがでしょうか。こうした、忙しい日々の中ではやり過ごしてしまうかもしれない小さな変化があるのなら、程度によりますが、定期的に誰かに相談できる機会を設けたり、心療内科を受診したりといった対応も必要になってきます。


ただ、ご主人の状態はまだ大丈夫だと推測することができそうです。「大丈夫」という前提があればですが、予防的観点からはむしろ、過度に心配するより、休日などにご主人を気晴らしになるようなことに誘って外出したりして、あなた自身もご主人と一緒にストレスを発散するとよいと思います。ストレスがたまっているときは、動くのがおっくうになり、家に閉じこもってしまい、結果的に気分が落ち込んでしまいがちです。ですから、少しおっくうだという理由で家にいるくらいなら、思い切って動いてみると予想以上に気分が晴れるものです。もちろん、家でゴロゴロしてゆっくり過ごすことも大切なので、ご主人に無理をさせることなく、あなたも無理せずに、静養とのバランスを考えながら一緒にと楽しく過ごされるとよいと思います。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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