Question

子どもがいじめの加害者になるかもしれない

小学5年生の息子がいます。クラスで特定の同級生を皆でからかっていることが問題になり、家庭でも注意しました。本人は、からかわれている子も含め皆で楽しんでいると思い込んでおり、反省しないばかりかどうしていけないかもいまひとつ理解できていないようです。このまま成長して、将来いじめの加害者になるのではないかと心配です。

女性/40代

2021/12/21

Answer

子育てのむずかしさは、いくら親子であっても親と子では別人格であり、違う性格の持ち主だという部分にもあるように思います。ご相談者は、もし自分が注意されれば、それはやってはいけないことだったと理解できるし、理解できることが当然だと思っておられるかもしれません。そのため、何がいけないのかが理解できない、反省できないお子さんの様子に戸惑い、心配されるのも、もっともかと思います。


他者の気持ちを推察する力は、個人差のある能力です。「自分が同じことをやられたら、どう思う? 嫌でしょ?」というのが、よくある教え方だと思いますが、これは、自分が実際に経験していないことを想像し、感じる高度な脳の作業です。


他者の気持ちを推察する力が弱い子の場合、相手の立場になってみてと伝えても、「自分はそういうことをされない」「別に嫌じゃない」などという答えになってしまい、伝わらないことも少なくありません。


何がいけないかわからない子を注意するのは、なかなかむずかしいことです。自分は悪いことをしたと思っていないのに、一方的に叱られてしまうと、ただ理不尽に叱られたという記憶だけが残り、大人との関係が悪化していく恐れがあります。


そして、関係の悪化により、いっそう大人からの注意が耳に入らなくなるという悪循環に陥りやすくなります。間違ったことをしたら、叱るのが当然なのですが、本人の性格特性に合わせて、適切な叱り方をすることが重要です。


今回のご相談の場合、まずは、お子さんが相手の立場や気持ちを、なるべくイメージしやすいように丁寧に説明してみて、それでも伝わらないようなら、「こういうこと(具体的に)はやってはいけないことだ」と、はっきりと短く伝えましょう。


漠然とした表現、例えば「相手が嫌がることはしない」などの伝え方では、どの言動がNGなのかが分かりにくいので、具体的にこれはダメと伝えたほうが、お子さんも理解しやすいと思います。また、長々と説明すると、話がわかりにくくなってしまい、結局何も頭に残らなくなってしまいます。


こういったことを伝える際に最も大切なのは、親子の間に信頼関係があることです。間違いを指摘されることは誰でも嫌です。理由が理解できないなら、なおさら受け入れがたいでしょう。信頼関係があってこそ、子どもが少しでも大人の話を受け入れてみようと思えるのではないでしょうか。


お子さんのタイプによっては、ご家庭でも親子のやり取りがむずかしく、信頼関係を築くことが困難なこともあるかもしれません。そういった場合は、専門家への相談をおすすめします。お子さんへの対応について継続して相談できると安心感が生まれると思います。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

関連するキーワード

子ども同士のトラブル
本サービスに掲載される情報は、医師および医療専門職等の監修の元、制作しております。監修者一覧および元となる情報はこちらからご参照ください。
みんなの家庭の医学 アプリイメージ
アプリでも

みんなの家庭の医学

歩数ゲームやデイリーアドバイス、無料健康相談が利用可能

QRコード

※ご所属先が本サービスを契約いただいている場合のみご利用いただけます。