Question

相談されると必死に解決しようとしてしまう

人から相談を持ちかけられると、自分のことをさしおいても必死に解決しようとしてしまいます。あとになって少し後悔するのですが、相談されるとつい親身になって、話を聞いしまいます。どうしたら、ちょうどよい距離感で周囲の人と付き合えるでしょうか。

女性/20代

2021/12/21

Answer

本来、人の役に立とうとするのは素晴らしいことで、けっして悪いことではありません。もし、あなたが誰かに何かしてあげることにやりがいを感じているようでしたら、その気概は、一種の博愛とか隣人愛といったものに近いものかもしれません。もしそうなら、その気持ちは保持したまま、「どうしたらちょうどよい距離感で周囲の人と付き合えるか」について、考えてみたいと思います。まず、なぜそこまで他人に対して親身になるのかを考えてみませんか。そこから対処法が見いだせるかもしれません。


 人の悩みの解決に必死になる理由はいくつか考えられると思います。例えば、背景に「嫌われるのが怖い」という不安があるかもしれません。その場合、元をたどると子どものころの親子関係まで行き着くことが多くあります。例えば、よい子でないと親が認めてくれなかった、頑張らないとほめてくれなかったといった“条件付きの愛”の親子関係です。こうした親子関係から、自己犠牲的に他人に尽くしてしまう行動パターンが身につくことがあります。


 もしそれが原因だとしたら、相談を受けたあとで後悔するほどやりすぎにならないように、ほどほどに振る舞うようにしましょう。ほどほどにするための心の準備としては、まず長期的な見通しをもつというのもひとつの手です。受けた相談をたまにさらっと短く済ませ、たまに断ったところで、相手から嫌われることはないだろう、人間関係は切れずにずっと続くだろう、という長い物差しで、相手との関係をみることです。


別の原因として、「役割期待」という目でも説明できるかもしれません。役割期待というのは、ここでは「他者が自分をこう見ているだろうと自分が思う自分の姿」と思ってください。誰もが無意識的にもっているもので、例えば「人に対して誠実である自分」という役割期待があると、どんな時でも、どんな場所でも、首尾一貫して誠実であろうとしてしまいます。


一度、他者から期待されている自分の役割について、自分なりに考え、洗い出してみてはいかがでしょうか。それに気づくことで自分の状態を意識しやすくなるため、誰かに何か相談された時に、「やりすぎていないかな」「疲れていないかな」「自分のことをあと回しにしていないかな」などと、客観的に振り返ることができ、自分の行動にブレーキをかけることもできるようになるでしょう。


その他の対処法としては、あなたがその人の相談ごとを必死に解決しようとすることが、本当にその人のためになるのかを考えます。その人自身が考え、自ら解決する余地も残したほうがその人のためになる、という観点をもつこともよいと思います。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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