Question

いつまでも口うるさい実母を邪険にできない

自分の母が何かと口うるさく、イライラします。「あなた何、その髪型。もうちょっと何とかならないの」「晩ご飯、買ってきたものを出すなんて」「もうちょっと片づけたら」など、指摘してきます。最近では母が来る日は胃が痛むように……。母も80歳なので邪険にしたくはないのですが、どのように接したらよいのでしょうか。

女性/50代

2021/12/21

Answer

もしかしたら、これまでのあなたは、母親にとってのよい子、自慢の娘でいようと、ずっと頑張ってこられたのかもしれませんね。そうだとしたら50代になった今こそ、娘として母親の期待にこたえようと頑張ってきた自分を認めて、ねぎらってあげてください。仮に母親がそのことを認めてくれなかったとしても、自分のことは、あなた自身がいちばんよくわかっているのですから。


そもそも、母親から注意されたり、教えてもらったりしたことで、いまだにできていないことや、納得できないと悩んでいることはありますか。もしあるとしたら、それを母親の言う通りにできなかったことで、何かすごく困ったことはありましたか。母親が思う通りの考え方、やり方ではなかったかもしれませんが、あなたはあなたのやり方で、成功や失敗を繰り返しながら、今日までやってこれたのではないでしょうか。母親の言葉は、娘のためを思って言っていることなのかもしれませんが、あなたにとってのベストではなかったのではないかと思います。


日本の家族は、夫婦の結びつきが弱く、親子の結びつきが強い傾向があると言われています。家族心理学では、世代間境界が弱いと言われます。境界線があいまいな家庭では、親が子どもに干渉することで、自分や夫婦間の問題に向き合うことを避けているという状態が、しばしば見受けられます。あなたのお母さんは、この世代間境界をつくるのが苦手なのかもしれませんね。


こまごまと口出ししてくるお母さんの言葉を、50歳をすぎた娘のあなたが不快に感じるなら、それは境界を侵されているという危機感であり、胃が痛むのももっともなことです。80歳のお母さんには、これまでの考え方ややり方を変えるのに、限界があるかもしれませんが、あなた自身は母親からの干渉を嫌だと感じる気持ちを否定せず、心の境界線をしっかり引くといいでしょう。


一方で、高齢の母親を邪険にしたくないという気持ちも、大切ですね。ただ、「干渉しないで」と拒否するだけでは、相手を傷つけてしまいます。例えば、「お母さんはそう思うのね。でも私は気に入ってるのよ」「お母さんは食べたことある?ここのお惣菜、種類が多くておいしいのよ」など、相手の気持ちをいったん受け止めた上で、しっかり自分の気持ちを伝えることで、相手に配慮しながら自己主張でき、境界線を守ることができると思います。


あなたが「言わせてあげているのよ」と思えるようになれば、こっちのもの。親と子の仲であるからこそ、心の境界線を意識し、個としての自分を大切にしていくことが、一緒にいても息苦しくならず、長くよい関係を保つための秘訣です。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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