受精しなかった精子の行方は？

性交時の精子の数は、平均的には約3億個ですが、精子は酸性に弱いため、大半は腟内の酸性環境で壊れます。　

通常、精子の数は、腟、子宮腔、卵管と進むにつれて少なくなります。状況にもよりますが、射精後の精子は、3～4日は受精可能で子宮内で活動できますが、受精できなかった場合は死滅し、分解され吸収されます。

女性の子宮の入り口にあたる子宮頸管では、頸管粘液が産生されています。ほとんどの時期は粘性が高いため、精子にとって進入が不都合な様態ですが、排卵の時期になると粘液の質が変わり、精子が通過しやすい状態になります。そのため、排卵時以外は、子宮まで到達するのは困難な環境となることが多くなっています。　

受精できなかった精子は、最終的には生存困難なため死滅し吸収されるので、体内に残る可能性は低いと考えられます。