何を言っても反発する子どもにイライラ

子どもは成長とともに自我も芽生え、自己主張が強くなっていくものです。幼いころは親の言うことを素直に聞いていた子どもも、年齢を重ねるにつれて意見の食い違いも生じやすくなり、時には口論に発展することもあります。これは、ある意味健全な発達でもあり、多くの親が直面する自然な変化です。

思春期の子どもへの対応には、これが正解という答えがないものです。子どもの性格や環境によっても対応は異なりますので、だからこその難しさがあると思います。

そのような中で、「自分以外の他者と関わるときには、できるだけ相手の視点に立ち、相手の気持ちになってみること」が、解決の一つの糸口になる場合があります。たとえば、お子さんの視点に立ってみると、「普段から頑張っているのに、ちゃんと見てもらえていない」と感じているのかもしれません。そんな中で、勉強のことを言われてしまうと、自分を否定されているような思いが沸いて、自分を守るために反論してしまう可能性もあるように思います。

これはあくまでも一つの想像にすぎませんが、いったん子どもの目線になって、相手の気持ちを想像してみることは、関係性を見直すきっかけになるかもしれません。また、ご自身が思春期だった頃を振り返ってみて、親からのどんな言葉が嬉しかったか、どんな関わり方が心に残っているかを思い出してみてもよいでしょう。

なお、感情的に叱ってしまうと、余計に子どもとの関係がこじれてしまうことがあります。イライラから感情的に怒ってしまいそうなときは、「自分が疲れているサインかもしれない」と捉えて、子どものことを考える時間から少し離れて、リラックスできる時間を持ってみることも大切ではないかと思います。