Question

子宮筋腫で全摘した場合のからだへの影響

婦人科で受けた検査で子宮筋腫が見つかりました。全摘出をすすめられていますが、子宮を全摘した場合、からだの変化などはありますか? 手術をするとなるといろいろ不安です。

女性/40代

2024/07/08

Answer

子宮筋腫ができる原因はよくわかっていませんが、卵巣でつくられるエストロゲン(卵胞ホルモン)と密接な関係があるといわれています。治療方法には、経過観察やホルモン療法、筋腫のみを摘出する保存的な療法、子宮を摘出する根治療法があります。

一般的に手術の適応となるのは、筋腫がグレープフルーツ大になったときとされていますが、そのほか、筋腫のできている位置や症状、年齢、ご本人の希望なども踏まえて検討されます。妊娠の可能性(希望)がある場合には、子宮を温存する方法(子宮筋腫のみを摘出するがとられることが多いようです。


子宮を全摘出するメリットは、筋腫や月経による貧血などの症状が改善されるなど、さまざまな症状から解放される点です。子宮を全摘すると、腟は少し短く(約5mm)なりますが、そのために生じる問題はとくにないと考えられています。子宮頸がん体がんの心配がなくなり、子宮がん検診を受ける必要もなくなります。ただし、ごくまれに、にもがんができる可能性があるため、時々チェックしておくと安心でしょう。


子宮筋腫のみを摘出した場合、妊娠・出産が可能ですが、今後、子宮筋腫の再発や婦人科系の疾患(がんを含む)の可能性が残ります。月経はこれまで通りで、子宮がん検診を定期的に受ける必要性があるでしょう。


いずれの治療も卵巣が残っていれば、女性ホルモンが分泌されるため、排卵が起こりますし、ホルモンのバランスが崩れることもありません。ただし、更年期の時期になると、治療の有無にかかわらず、ホルモンバランスの乱れによる症状は起こり得ます。


また、術式は、腹腔鏡下、子宮鏡下など、術後の負担が少ない術式が主流になってきているため、入院期間も開腹手術より短く、手術後から通常の生活に戻るまでの期間も短くなっています。なお、手術中に出血量が増えるなどの問題が起これば、安全を優先し、開腹手術に切り替わる可能性があります。

子宮全摘術の術後に尿もれなどの排尿障害が起こることは、一般的にはないといわれています。その他、手術後の後遺症については個々の状況によって異なり、術後に癒着を起こす方もいらっしゃいます。

大切なご自身のからだの治療ですから、主治医とよく話し合い、納得のいく選択ができるとよいですね。次回の受診時には、主治医に不安や疑問に思うことについて遠慮なくご相談されることをおすすめいたします。


回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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